金森宗貞邸跡(読み)かなもりそうていやしきあと

日本歴史地名大系 「金森宗貞邸跡」の解説

金森宗貞邸跡
かなもりそうていやしきあと

[現在地名]神岡町東茂住

茂住もずみ銀山和佐保わさぼ銀山の鼻祖、茂住(金森)宗貞の屋敷跡と伝える。県指定史跡。東は国道四一号、西は高原たかはら川に面する断崖を隔てて西茂住に接し、南北は人家、増谷ますたにに隣接している。屋敷内には金竜きんりゆう寺や明治初年造営の神明神社があった。また国道改修工事に際して北東側の石塁に現状変更が加えられた。

「飛騨国中案内」では、「町尻に金森宗貞と云し銀山師、越前国金森と云所より此地へ来、少々居屋敷を拵へ居住す、其構四方に高さ七尺余の高築筑き、其上に高塀を懸け、四角に櫓を上げ、南の門、東の門、北の門とて三ケ所に門を立、其内に居宅を拵へ、但北に五十間余、東西六十間余之内なり」とし、慶長一二年(一六〇七)金森長近が京都で没したので、その恩恵により栄華権勢を誇った宗貞は自ら屋敷に火をかけ、越中に移りさらに能登へ赴いたとある。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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