金銀図録(読み)きんぎんずろく

日本大百科全書(ニッポニカ) 「金銀図録」の意味・わかりやすい解説

金銀図録
きんぎんずろく

6巻。附言1巻。近藤守重(こんどうもりしげ)(正斎)著。1810年(文化7)刊行。金銀貨幣形状、製造、刻鑿(こくさく)などの図録。凡例によると、『宝貨通考』(書名だけ伝えられて現存しない)の付図として刊行されたもので、天正大判(てんしょうおおばん)金から明和(めいわ)五匁銀に至る正用品と、古金大判などの甲州品、その他各国品、尚古品、玩賞(がんしょう)品など543品の図を掲げ、附言では貨幣の沿革、古金銀の名称・性質・由来などを述べ、中国貨幣の名数に及ぶ。

[滝沢武雄]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「金銀図録」の意味・わかりやすい解説

金銀図録
きんぎんずろく

古来の金銀貨幣の形状,製作,刻鑿などの図示解説書。本編6巻,付言1巻。江戸時代中期,幕府書物奉行で北地探検家の近藤重蔵 (守重) 著。文化7 (1810) 年刊。古判金,甲州品,各国品,私鋳品などに分類し,一般に秘密主義をとった幕府の鋳貨内容を知るのに役立つ。続編が天保 13 (42) 年にできた。

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