最新 地学事典 「鉄マグネシウム交代作用」の解説
てつマグネシウムこうたいさよう
鉄マグネシウム交代作用
iron-magnesium metasomatism
鉄-マグネシウム交代作用では,石灰岩へのFe・Mgの添加と珪酸塩岩石中での鉄-マグネシウム鉱物の発達の二つのタイプが主なもの。前者はスカルンの形成で,アンドラダイト・ヘデンベルグ輝石・透輝石・透閃石・金雲母などのMg・Fe・Ca珪酸塩鉱物が形成。蛍石・スカポライトや金属硫化物が伴われることから,Fe・Mgの運搬においてF・Cl・Sなどを含む流体相が重要な役割を演ずるらしい。そのために,ときにこのタイプの交代作用は気成交代作用に近い。珪酸塩岩石における鉄-マグネシウム交代作用の例は菫青石直閃石岩の形成がある。その成因として,P.Eskola(1914)はOrijärviでFe・Mgの添加の,またC.E.Tilley(1935)は英国Cornwall地方でCaの除去の交代作用を考えた。しかし,最近では菫青石直閃石岩は一部を除き,蒸発岩,部分溶融の溶残り(residue)あるいは海水などによる熱水変質を受けた玄武岩など特殊な化学組成をもつ原岩に由来すると考えられている。
執筆者:端山 好和・在田 一則
出典 平凡社「最新 地学事典」最新 地学事典について 情報

