改訂新版 世界大百科事典 「鉄道荷物」の意味・わかりやすい解説
鉄道荷物 (てつどうにもつ)
鉄道により輸送される少量物品をいい,日本国有鉄道では手荷物,小荷物,新聞・雑誌,郵便物を取り扱ってきた。手荷物とは,旅客の旅行に必要な物品で車内に持ちこめないものを託送するもので,乗車券を呈示することにより一般の小荷物より割安な運賃となっており,旅客とほぼ同時期に到着するものであった。小荷物は手荷物以外の一般荷物で,1個の重さ30kg以内となっていた。鉄道荷物は一般に客車便と呼ばれ,古くは旅客列車に連結された荷物車により輸送がなされたが,その後は荷物専用列車などによるものが多くなり,また大都市周辺ではトラック輸送によるものも多かった。近年いわゆる宅配便の増加に伴い,鉄道荷物の営業はJR各社では一般的には廃止され,一部の特急列車を利用して書類・原稿・機械部品などを輸送するブルートレイン便,レールゴー・サービス,ひかり直行便が特定の区間に限り取り扱われている。
執筆者:村山 繁樹
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報