鉛青銅(読み)なまりせいどう(その他表記)lead bronze

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「鉛青銅」の意味・わかりやすい解説

鉛青銅
なまりせいどう
lead bronze

鉛は銅にほとんど固溶せず低い融点を保つ。このため銅合金に鉛が加わると偏析,逆偏析が起りやすいが,反面,鋳造性,切削性はよくなる。鉛青銅スズ 4~11% の普通青銅に鉛 2~6% を加えたもので,鋳造して軸受合金に用いられる。硬い δ 相 (電子化合物 Cu31Sn8 ) が析出して回転軸を支え軟らかいα相が油回りをよくするからである。スズを減じ鉛を増量するとケルメットといわれる軸受合金になる。日本の昔の銅鐸,金銅仏像などは多く鉛青銅に類似材質である (→青銅 ) 。

出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報

今日のキーワード

カイロス

宇宙事業会社スペースワンが開発した小型ロケット。固体燃料の3段式で、宇宙航空研究開発機構(JAXA)が開発を進めるイプシロンSよりもさらに小さい。スペースワンは契約から打ち上げまでの期間で世界最短を...

カイロスの用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android