(読み)しころ

普及版 字通 「錣」の読み・字形・画数・意味


16画

[字音] テツ
[字訓] はり・しころ

[字形] 形声
声符は(てつ)。〔玉〕に「針なり」とあり、針で綴る意。〔淮南子、道応訓〕に「杖策を倒(さかさま)にし、錣上、頤(い)を貫く」とあるのは、馬策先端につけた金具で、馬を鞭うつことをいう。わが国では、しころ、甲札をいう。

[訓義]
1. はり。
2. むちさきのかね、むち。
3. さんぎ、かずとり。
4. 国語で、しころ。

[古辞書の訓]
字鏡集〕錣 カズ・チツ

[下接語]
引錣・策錣・錯錣・利錣

出典 平凡社「普及版 字通」普及版 字通について 情報

百科事典マイペディア 「錣」の意味・わかりやすい解説

錣【しころ】

錏とも書く。兜(かぶと)の鉢の左右や後ろにたらし,頸部を守るもの。革や鉄板をつづり合わせて造る。

出典 株式会社平凡社百科事典マイペディアについて 情報

世界大百科事典(旧版)内のの言及

【被り物】より

…第1に円形に縫って縁や筒をつけた,主として僧侶や老人のかぶるもの,丸頭巾,角頭巾,炮烙(ほうらく)頭巾など。第2にこれに錣(しころ)と呼ばれる裂を顔の面や耳から後頭部につけたもの。僧侶の用いた錣頭巾,上方の武士や上流の町人の用いた宗十郎頭巾や韮山頭巾など。…

【頭巾】より

…幼児には小型のものを大黒頭巾といって最近までかぶせたという。なお丸頭巾の左右,後方にたれさげて首筋を保護する錣(しころ)とよぶ布をつけたものを錣頭巾,熊坂頭巾とよんだ。また丸頭巾の前面に覆面布をつけた覆面頭巾,気儘(きまま)頭巾,猫頭巾などもある。…

※「錣」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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