錫杖ヶ岳(読み)しやくじようがだけ

日本歴史地名大系 「錫杖ヶ岳」の解説

錫杖ヶ岳
しやくじようがだけ

[現在地名]芸濃町河内 雀頭

河内こうち地区の北部、鈴鹿郡せき町との町界に立つ。標高六七七メートル。山頂は山骨の現れた突兀とした岩山である。その山容が雀の頭に似ているので現地ではしやくとと一般によばれ、文字も「雀」の異体字「」がもっぱら用いられている。古くより祈雨の霊山として度々の雨乞の記録を残している。宝暦五年(一七五五)頃の忍田おしだの永隆寺文書(同寺蔵)に「錫杖へ雨請願相済、幟さし申候間、明廿四日朝六ツ半時雲林院へ揃候様、御出し可被成候以上 七月廿三日 五ケ村庄屋」とあり、雲林院うじい五ヵ村(雲林院・忍田・椋本・萩野・岡本)による錫杖雨乞の文書を残しているが、それ以後大正二年(一九一三)まで十数回の五ヵ村雨乞があり、そのうち明治一六年(一八八三)にはとくに「頭エ登山一件」と題する詳細な行事や会計についての記録を残している。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

今日のキーワード

発見学習

発見という行為の習得を目指す学習。または,発見という行為を通じて学習内容を習得することを目指す学習。発見学習への着想は多くの教育理論に認められるが,一般には,ジェローム・S.ブルーナーが『教育の過程』...

発見学習の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android