霊山(読み)りょうぜん

国指定史跡ガイド「霊山」の解説

りょうぜん【霊山】


福島県伊達市霊山町石田、霊山町大石と相馬市玉野とのにそびえる標高825mの山。玄武岩熔岩台地であり、周囲を断崖絶壁に囲まれているため自然の城郭となり、南北朝時代に南朝の拠点として霊山城が築かれた。1934年(昭和9)に国の史跡および名勝として指定された。霊山は平安時代初期に第3代天台座主、慈覚大師円仁(794~864年)によって開かれ、天台宗の拠点として栄えた。南北朝時代の1337年(延元2)、北畠顕家(あきいえ)が義良(のりなが)親王(後の後村上天皇)を奉じて霊山城を築いた。奥羽地方における南朝方の一大拠点となり、陸奥国の国府が置かれた。1347年(正平2)に落城し、以後、歴史の表舞台から消えた。現在、山頂に国司舘(国府の役人の住居)の礎石が残っている。域内の日枝社観音堂は往時をしのぶ遺構である。霊山城へは、JR東北新幹線ほか福島駅から福島交通バス「行合道」下車、徒歩約1時間。

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デジタル大辞泉「霊山」の解説

れい‐ざん【霊山】

神仏を祭った神聖な山。霊域である山。

りょう‐ぜん〔リヤウ‐〕【霊山】

福島県北東部、伊達(だて)市と相馬市との境にある山。標高825メートル。奇岩が連なる。慈覚大師建立の霊山寺跡や霊山城跡がある。
京都市東山区霊山町にある山。東山三十六峰の一。中腹に正法寺がある。
霊鷲山(りょうじゅせん)異称

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典「霊山」の解説

霊山
りょうぜん

福島県北東部,阿武隈高地の北部にある山。標高 825m。新第三紀安山岩,玄武岩および花崗岩類の溶岩台地からなる。9世紀頃慈覚大師円仁開山,霊山寺を建立。以来霊山と呼ばれる。今日でも根本堂,堂塔礎石がある。建武中興(1333~36)の際,義良親王を奉じて陸奥国府に下向した北畠顕家陣地を張った地で,山頂に親王御在碑がある。山麓霊山神社は北畠一族をまつる。霊山一体は国の史跡・名勝に指定されており,また霊山県立自然公園に属する。

霊山
りょうぜん

福島県北東部,伊達市中央部の旧町域。霊山 (825m) の西斜面にある。 1955年掛田町と石戸村,霊山村,小国村の3村が合体して霊山町が成立。 2006年伊達町,梁川町,保原町,月舘町と合体して伊達市となった。農業ではイチゴや野菜のハウス栽培,工業では弱電関係が盛ん。中心地区の掛田は中世懸田氏の城下町で,江戸時代以来生糸の産地として有名。霊山 (国の史跡・名勝) ,霊山神社があり,霊山県立自然公園に属する。

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精選版 日本国語大辞典「霊山」の解説

りょう‐ぜん リャウ‥【霊山】

[二] 福島県相馬市と伊達郡霊山町との境にある山。慈覚大師が建立した霊山寺の跡、北畠顕家が義良(のりなが)親王を奉じて拠った霊山城址、霊山神社などがある。標高八二五メートル。
[三] 京都市、東山三十六峰の一峰、霊鷲山の略称。元慶八年(八八四)に光孝天皇勅願の正法寺が創建され、以後は正法寺をさしてもいった。

れい‐ざん【霊山】

〘名〙 (「れいさん」とも) 神仏をまつった神聖な山。霊地である山。
※権記‐長保三年(1001)二月四日「今日兵部大輔兼隆朝臣詣霊山、途中落馬」 〔左思‐呉都賦〕

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世界大百科事典 第2版「霊山」の解説

りょうぜん【霊山】

福島県伊達郡霊山町と相馬市にまたがる阿武隈高地北部の山。標高805m。国の史跡,名勝。中腹以下は花コウ岩からなり傾斜もゆるやかであるが,山頂付近は,新第三紀初期の火山活動によって噴出した霊山層からなり,火山角レキ岩,安山岩,玄武岩などの硬い岩層からできているので,浸食に抗し,周辺より一段高いテーブル状の山形をなしている。特に西側と南西側は浸食が進み断崖をなし,鷲岩,離岩,東の物見岩,西の物見岩などの塔状の奇岩が連なり,秋の紅葉期にはみごとな景観を呈する。

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世界大百科事典内の霊山の言及

【霊鷲山】より

…その頂が鷲の姿に見えることから,サンスクリットではグリドラクータGṛdhrakūṭa(〈鷲の峰〉の意)と呼ばれ,耆闍崛多(ぎしやくつた)と音写されるため,耆闍崛山(ぎしやくつせん)とも称される。霊鷲山は意訳で,霊山(りようぜん)とも略される。釈迦が説法した地として有名で,大乗経典の《法華経》《無量寿経》もここで説かれたとされる。…

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