鑑真和尚東征伝(読み)がんじんわじょうとうせいでん

百科事典マイペディア 「鑑真和尚東征伝」の意味・わかりやすい解説

鑑真和尚東征伝【がんじんわじょうとうせいでん】

奈良時代,現存最古の長文漢文伝。《唐大和上東征伝》《鑑真過海大師東征伝》とも。779年,淡海三船(おうみのみふね)(真人元開)が,鑑真従僧である思託の請により著した。唐僧鑑真が5度にわたる渡航失敗の苦辛を重ねて,前後12年,6度めでようやく来日し,唐招提寺を開いた事蹟を叙す。唐代の南方諸州の風俗・社会・経済が記されているなどの史料的価値とともに,文学的価値も認められ,以後の高僧伝往生伝等の漢文伝の先駆的作品として重視される。

出典 株式会社平凡社百科事典マイペディアについて 情報

世界大百科事典(旧版)内の鑑真和尚東征伝の言及

【唐大和上東征伝】より

…779年(宝亀10)の成立。《鑑真和尚東征伝》《鑑真過海大師東征伝》《過海大師東征伝》《東征伝》などの別称がある。鑑真に随伴して来日した思託の請により,三船が思託の著した《大唐伝戒師僧名記大和上鑑真伝》(略称《大和上伝》《大和尚伝》)や鑑真の行状を伝聞して完成したもの。…

※「鑑真和尚東征伝」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

貨幣 (名目) 賃金額を消費者物価指数でデフレートしたもので,基準時に比較した賃金の購買力を計測するために用いられる。こうしたとらえ方は,名目賃金の上昇が物価の上昇によって実質的には減価させられている...

実質賃金の用語解説を読む