苦辛(読み)クシン

デジタル大辞泉 「苦辛」の意味・読み・例文・類語

く‐しん【苦辛】

[名](スル)
ひどく苦しむこと。辛苦
平生の―はこれによりて全く排せられ畢ぬ」〈鴎外訳・即興詩人
にがさとからさ。
甘酸―の菓子ども」〈太平記・三三〉

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精選版 日本国語大辞典 「苦辛」の意味・読み・例文・類語

く‐しん【苦辛】

  1. 〘 名詞 〙
  2. ( ━する ) ひどく苦しむこと。辛苦。
    1. [初出の実例]「いたづらに苦辛するに相似せりといへども」(出典:正法眼蔵(1231‐53)諸悪莫作)
    2. [その他の文献]〔杜甫‐寄三郎中璩詩〕
  3. にがさとからさ。
    1. [初出の実例]「面五尺の折敷に〈略〉五味の魚鳥、甘酸、苦辛(クシン)の菓子共」(出典:太平記(14C後)三三)
  4. 植物「くらら(苦参)」の古名。
    1. [初出の実例]「姜。厚朴。苦辛。茯苓。〈略〉等之和薬者、御所持之間不之」(出典:尺素往来(1439‐64))

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普及版 字通 「苦辛」の読み・字形・画数・意味

【苦辛】くしん

苦労する。〔文選古詩十九首、四〕何ぞ高足を策(すす)めて 先づ路の津(わたし)(仕宦要職)に據らざる 窮賤を守るを爲すこと無(なか)れ 轗軻(かんか)(不遇)長く辛せん

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