20世紀日本人名事典 「長滝一雄」の解説
長滝 一雄
ナガタキ カズオ
昭和期の宗教家 日蓮会殉教衆青年党(死なう団)幹部。
- 生年
- 明治33(1900)年
- 没年
- 昭和50(1975)年11月11日
- 出生地
- 岡山県津山市
- 別名
- 号=桜智
- 経歴
- 明治43年上京、ガラス工となった。昭和4年江川桜堂の日蓮会に入信、江川の秘書兼組織担当者となった。8年1月同会青年部を結成、真日蓮主義のための法戦を誓い、祖国、宗教同志…のため「死なう」宣言を発表、全員が白羽織、黒袴に鉢巻をしめ「死なう」を連呼しながら全国行脚「千里行」に出発、逗子市桜山で全員検挙された。神奈川県警特高課はテロ団体とみて取り調べたが、容疑事実はなく、江川、長滝らは釈放された。12年信者10数人が弾圧に抗議して行動を起こし、長滝は開会中の帝国議会議事堂前で切腹、他の4人も皇居前などで切腹したが、いずれも軽傷。13年江川は病死、信者5人が殉死、同会は解体した。長滝は戦後23年ごろ福島県の山林に入植、信仰に生きた。
出典 日外アソシエーツ「20世紀日本人名事典」(2004年刊)20世紀日本人名事典について 情報