長野朗(読み)ナガノ アキラ

20世紀日本人名事典 「長野朗」の解説

長野 朗
ナガノ アキラ

昭和期の国家主義者 全国郷村会議中央委員長。



生年
明治21(1888)年4月3日

没年
昭和50(1975)年

出生地
静岡県

学歴〔年〕
陸士(第21期)卒

経歴
支那駐屯軍に属し資源調査に従事。陸軍歩兵大尉となるが、大正10年待命。東方通信社員、日本経済連盟嘱託などを経て、昭和14年興亜院嘱託となる。この間大川周明らの猶存社、行地社に加盟。4年寺田稲次郎らと日本国民党を、6年風見章、橘孝三郎らと日本村治派同盟を結成。分裂後農本主義の立場から農本連盟、自治農民協議会などを組織した。7年農村恐慌の激化する中で農村救済請願署名運動を展開。10年自治講究会を結成したが振るわなかった。拓殖大教授をつとめるが、戦後22年公職追放となる。のち、中国調査所を設置し、機関誌「思想戦」を発刊。28年全国郷村会議を組織し、委員長に就任著書に「支那の労働運動」など。

出典 日外アソシエーツ「20世紀日本人名事典」(2004年刊)20世紀日本人名事典について 情報

デジタル版 日本人名大辞典+Plus 「長野朗」の解説

長野朗 ながの-あきら

1888-1975 昭和時代の国家主義者,農本主義者。
明治21年4月3日生まれ。陸軍大尉になるが大正10年待命。大川周明(しゅうめい)らとまじわり猶存社,行地(こうち)社に加盟する。のち農本連盟,自治農民協議会を組織した。戦後,昭和28年全国郷村会議委員長となった。昭和50年死去。87歳。福岡県出身。陸軍士官学校卒。著作に「昭和農民総蹶起録」など。

出典 講談社デジタル版 日本人名大辞典+Plusについて 情報 | 凡例

世界大百科事典(旧版)内の長野朗の言及

【救農議会】より

…この議会に向けて各種農民団体の請願が続き,借金の棒引き,軽減または償還延期,農産物価格引上げ,国家による損失補償,肥料資金の国家補償,税金の軽減などが全国に宣伝された。とくに長野,山梨,群馬など養蚕県では長野朗,権藤成卿,橘孝三郎ら農本主義者による自治農民協議会が結成され,全国から約5万人の署名を集め,第62議会に向けて農村救済請願運動が展開された。この結果,つづいて救農議会が開かれ,米穀法改正などによる米価対策,産業組合中央金庫特別融通及損失補償法,不動産融資及損失補償法,金銭債務臨時調停法などによる負債対策,さらに土木事業により景気回復と窮乏農民に副業収入を与えるための大規模な救農土木事業(または時局匡救事業)が可決実施された。…

※「長野朗」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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