長閑やか(読み)ノドヤカ

デジタル大辞泉 「長閑やか」の意味・読み・例文・類語

のど‐やか【長閑やか】

[形動][文][ナリ]のどか」に同じ。「長閑やかな春の日」
「雨よいほどに―に降りて」〈かげろふ・下〉
「春の暮れつ方、―に艶なる空に」〈徒然・四三〉
[派生]のどやかさ[名]

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

精選版 日本国語大辞典 「長閑やか」の意味・読み・例文・類語

のど‐やか【長閑やか・閑やか】

  1. 〘 形容動詞ナリ活用 〙 ( 「やか」は接尾語 )
  2. 状態、雰囲気(ふんいき)などが、静かで穏やかなさま。
    1. [初出の実例]「雨よいほどにのどやかにふりて」(出典:蜻蛉日記(974頃)下)
  3. 天気がよく、静かで穏やかなさま。《 季語・春 》
    1. [初出の実例]「のどやかに艷なる空に、賤しからぬ家の、奥深く木立ものふりて」(出典:徒然草(1331頃)四三)
  4. 人の性質、態度、動作などが、ゆったりと落ち着いていて、静かで穏やかなさま。
    1. [初出の実例]「男君も女君も御心のどやかによくおはすれば」(出典:落窪物語(10C後)二)
  5. 気持をのんびりして、ゆっくりするさま。時間的にゆとりのあるさま。
    1. [初出の実例]「かうな急ぎそ。のとやかにやれ」(出典:能因本枕(10C終)二〇三)
  6. さしせまった用事もなく、暇なさま。
    1. [初出の実例]「正月のつごもりなれば、公私のどやかなる頃ほひに」(出典:源氏物語(1001‐14頃)梅枝)
  7. 気にかけないさま。平然たるさま。平気。のんき。
    1. [初出の実例]「ともかくも違ふべき節あらむを、のどやかに見忍ばむより外に、ますことあるまじかりけり」(出典:源氏物語(1001‐14頃)帚木)

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