長高し(読み)たけたかし

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「長高し」の意味・わかりやすい解説

長高し
たけたかし

日本文学において美的理念を表わす語。本来は『日本書紀』雄略記にあるように,身長などが高い意だったが,平安時代から素朴で壮大な美を表わす語となった。「歌のたけを好み」 (『古来風躰抄』の藤原経信評) のように「たけ」の語も同様に用い,また「遠白し」も近い美である。中世以降は歌体の一つとされ,長高体 (様) の名が歌論書のなかにみられる。連歌においても重んじられ,『吾妻問答』では二条良基の時代の連歌について「句の様も長高く」と記している。

出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報

今日のキーワード

苦肉の策

敵を欺くために、自分の身や味方を苦しめてまで行うはかりごと。また、苦しまぎれに考え出した手立て。苦肉の謀はかりごと。「苦肉の策を講じる」...

苦肉の策の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android