間物(読み)あいのもの

精選版 日本国語大辞典 「間物」の意味・読み・例文・類語

あい‐の‐もの あひ‥【間物】

〘名〙
[一] 空間的に、大きさの中間のもの。
土器の杯で、三度入り(普通の大きさ)と五度入り(大型)との中間の容量のもの。四度入り。あいもの。
※海人藻芥(1420)「鐘はへいかう二度入、三度入是也。然近代間の物五度入、七度入〈略〉種々土器令出来、酒興盛故也」
② 箱提灯(はこぢょうちん)で、長さ一尺一寸(約三三センチメートル)のもの。
※万金産業袋(1732)一「箱てうちん〈略〉壱ばん、壱尺壱寸五ぶ、あいの物、壱尺壱寸、弐ばん壱尺五分」
[二] 時間的に、事が行なわれる時の中間のもの。
近世の芸能の用語。能、狂言、歌舞伎、浄瑠璃などの上演の間に挿入された別ジャンルの芸能をいう。
※俳諧・西鶴大句数(1677)六「罷出て天鞁があとのあいのもの よい男ぶりならのみやこ衆」
② 平曲で、曲を章と段に区別し、どちらに入れるか判然としないもの。鵜川合戦、大塔建立、競、新都、文覚荒行、五節沙汰、入道逝去、木曾願書、維盛都落、宇佐御幸、藤戸、先帝入水、副将被斬など。
※追増平語偶談(1834)「間物 十齣、揃物 五齣」
間食。おやつ。
黄表紙・十四傾城腹之内(1793)「あひの物には薩摩芋二本に大ころはしが三本

あいだ‐もの あひだ‥【間物】

〘名〙 間食いする物。間食に食べる物。

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報

今日のキーワード

焦土作戦

敵対的買収に対する防衛策のひとつ。買収対象となった企業が、重要な資産や事業部門を手放し、買収者にとっての成果を事前に減じ、魅力を失わせる方法である。侵入してきた外敵に武器や食料を与えないように、事前に...

焦土作戦の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android