朝日日本歴史人物事典 「関口開」の解説
関口開
生年:天保13.7(1842)
明治初期の数学者,教育者。金沢(加賀)藩士の臣松原信吾の子として金沢に生まれ,関口家の養子となる。実兄匠作と滝川秀蔵に和算を学ぶ。金沢藩が長州藩から招いた蘭学の戸倉伊八郎に学び,破門されたが,維新後は洋算に転じて独学で微積分まで習得する。明治2(1869)年藩校の洋学教師となり,金沢の数学教育の中心人物として多くの弟子を輩出。河合十太郎はそのひとり。明治初期の金沢の数学の水準の高さは彼に帰せられよう。関口は洋算家であるが,その指導法は和算的であった。明治6年の『新撰数学』は改版6回,総計22万部ものベストセラーとなった。<参考文献>日本科学史学会編『日本科学技術史大系』8巻,12巻
(佐藤賢一)
出典 朝日日本歴史人物事典:(株)朝日新聞出版朝日日本歴史人物事典について 情報