関節固定術(読み)かんせつこていじゅつ

日本大百科全書(ニッポニカ) 「関節固定術」の意味・わかりやすい解説

関節固定術
かんせつこていじゅつ

関節を動かないように良肢位に固定し、それによって機能的に有利にしようとする手術をいう。たとえば、脊髄(せきずい)性小児麻痺(まひ)(ポリオ)の三角筋麻痺で上肢がまったくあがらないような場合に、肩関節固定術によって上肢をあげられるようにするとか、股(こ)関節の疾患疼痛(とうつう)のため歩行できないような場合に、股関節を良肢位に固定して疼痛を除き、支持性を増して歩行を可能にするなどである。

 手術方法は、関節軟骨を切除し、骨移植を行って良肢位で骨性強直を得させる。手術後、骨が完全に癒合するまではギプス固定、装具の装用などを行う。

[永井 隆]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

世界大百科事典(旧版)内の関節固定術の言及

【関節】より

…下垂足の矯正のため足関節の後方に植骨し底屈をブロックするなどの方法がある。(5)関節固定術arthrodesis 関節の本来の性質である可動性を廃する手術で,関節病変の鎮静,関節痛の除去,関節支持性の獲得,良肢位の保持,関節変形の矯正などの目的で行われる。対象となる疾患または症状としては,関節結核などの慢性関節炎,変形性関節症,麻痺による動揺関節,骨の変形による手足の変形などがあげられる。…

※「関節固定術」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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