閻魔前町(読み)えんままえちよう

日本歴史地名大系 「閻魔前町」の解説

閻魔前町
えんままえちよう

上京区千本通廬山寺上ル

町のほぼ中央を南北千本せんぼん通が通り、北側は鞍馬口くらまぐち通。

寛仁年中(一〇一七―二一)定覚上人が当地に引接いんじよう(千本閻魔堂)創建(国朝書目)、その門前町として開かれ、町名もこれによる。元和年中(一六一五―二四)徳川家康が当町を引接寺に与えたが、のち民有になったという。

寛永一四年(一六三七)洛中絵図に「えんむま前丁」とあり、町屋千本せんぼん通西側に描かれる引接寺の北と南、及び千本通東側に記される。東側の町屋の北に「願明坊」と「田中坊」が隣接するが、願明坊がんめいぼうは「坊目誌」に真言宗上品蓮台じようぼんれんだい(現北区)に属し、開基は僧寛空、応仁の兵火に焼け、慶長年中(一五九六―一六一五)に再興されたが、後衰退し、明治四三年(一九一〇)四月、上品蓮台寺に合併されたとある。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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