拳銃弾,小銃弾などが当たっても破損しないようにつくられたガラスをいい,おもに2枚以上のガラスを合成樹脂のフィルムで接着した合せガラスが用いられる。1903年に考案された合せガラスは改良が加えられ,自動車用風防ガラスとして商品化される一方,航空機,装甲車用の防弾ガラスとして利用され,日本においても1932年に製造が開始されている。防弾性を高めるためにはガラスの厚さやガラスの枚数を増やせば容易であるが,軽量化の方向と矛盾するのでガラス板そのものを強化することも必要であり,強化ガラスも利用される。また中間層としてポリカーボネート,アクリル樹脂などの層を設けて特性の向上をはかることが行われるようになってきている。たとえばガラス厚み19mm,中間層としてポリカーボネート厚み25mmの防弾ガラスは,4.6mから射撃した.44口径の拳銃弾を阻止する。
執筆者:鈴木 康夫
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報
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