合せガラス(読み)アワセガラス(その他表記)laminated glass

デジタル大辞泉 「合せガラス」の意味・読み・例文・類語

あわせ‐ガラス〔あはせ‐〕【合(わ)せガラス】

2枚の板ガラスの間に、透明な合成樹脂の膜を挟んで接着したもの。割れても破片が飛び散らない安全ガラス一種樹脂ガラス

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改訂新版 世界大百科事典 「合せガラス」の意味・わかりやすい解説

合せガラス (あわせガラス)
laminated glass

2枚の板ガラスの間にポリビニルブチラール・フィルムをはさんで接着し,破損した場合にも破片が飛び散ることがないように作られたガラス。使用されるポリビニルブチラールフィルムは厚さ0.38mmあるいは0.76mmであり,3mm厚の2枚の板ガラスの間にはさみ,オートクレーブで処理され製造される。用途は主として自動車用高級フロントウィンドーガラスで,安全性強化ガラスよりも高いとされている。特殊な用途として,厚手の強化ガラスを素材に使用し,2枚以上のガラスをはり合わせたものがあり,防弾ガラスや海中施設用に使用される。
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百科事典マイペディア 「合せガラス」の意味・わかりやすい解説

合せガラス【あわせガラス】

安全ガラスの一種。2枚のガラスの間にポリビニルブチラールなどの有機質薄膜を挟み張り合わせたもの。外部からの衝撃に強く,たとえ破損しても破片が飛び散らない。安全性は強化ガラスより高いとされている。航空機,自動車や車両窓ガラステレビの前面保護ガラスのほか金融機関の窓口などに使用。有害な紫外線をカットする性質の合せガラスも製品化されている。
→関連項目安全ガラスガラス

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「合せガラス」の意味・わかりやすい解説

合せガラス
あわせガラス
laminated glass

2枚の板ガラスの間にブチラール樹脂の透明なフィルムをはさんで接着したもの。ブチラール樹脂は柔軟で耐寒性があり,ガラス,金属などに密着しやすい特性をもつ。割れても破片がブチラール樹脂フィルムに貼付され,飛散しないので,安全ガラスとして自動車,車両,航空機などの窓ガラスに使われる。また導電性の高い合成樹脂フィルムを用いて電流通し,ガラス面の結露を防止したり,強化ガラスを合せて防弾ガラスに使うこともある。

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世界大百科事典(旧版)内の合せガラスの言及

【板ガラス】より

…フロート法によって製造した板ガラスをそれぞれの車種に応じた形状に切断した後,熱処理により曲面に成形した後,空気を両面に吹き付けて急冷し表面に圧縮応力層をつくったものが風冷強化ガラスである。2枚の板ガラスの間にポリビニルブチラールフィルムをはさみ込んだものが合せガラスであり,高級車・輸出用車のフロントガラスに使用されている。複層ガラスは,2枚の板ガラスを6~12mmの間隔を保って周辺をシールし,その間に乾燥空気と水分吸着剤を封入したもので,結露しないこと,断熱性が高いことなどの特徴をもっている。…

【防弾ガラス】より

…拳銃弾,小銃弾などが当たっても破損しないようにつくられたガラスをいい,おもに2枚以上のガラスを合成樹脂のフィルムで接着した合せガラスが用いられる。1903年に考案された合せガラスは改良が加えられ,自動車用風防ガラスとして商品化される一方,航空機,装甲車用の防弾ガラスとして利用され,日本においても1932年に製造が開始されている。…

※「合せガラス」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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