日本歴史地名大系 「阿府志」の解説
阿府志
あふし
現存一九冊 赤堀良亮著
写本 徳島県立図書館所蔵呉郷文庫ほか
解説 赤堀良亮は徳島藩の鷹匠。内容は阿波国中の神社の由緒(巻一・巻二)、神代から後水尾天皇までの歴代天皇の事歴に阿波の国司・守護の補任、大名の事歴を加えた歴史(巻一二―二一下)、名勝(巻二二)、旧跡(巻二三・巻二四)、旧家(巻二八)、人物伝(巻二九上)を収録した阿波国に関する総合的地誌。このほか城跡之部・旧跡古戦場之部などの巻冊が存在していたようであるが現存せず、全体の巻冊数は不明である。また成立年代についても序文に天明壬寅(天明二年)と記されているが、本文中に寛政五年の記事があることから確定できない。類書として本編の巻一・巻二から抜粋した「阿府志抜粋」が東京大学史料編纂所に所蔵されている。なお「徳島県史料」第二巻の注において、序文の著者元木経龍を「灯下録」の著者元木蘆洲と同一人物と指摘している。
活字本 「徳島県史料」第二巻
出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報