補任(読み)ブニン

デジタル大辞泉 「補任」の意味・読み・例文・類語

ぶ‐にん【補任】

《「ふにん」とも》
官職に任命すること。また、位階を与えること。
武蔵の守に―して執事職を司る」〈太平記・四〇〉
補任状」の略。

ほ‐にん【補任】

[名](スル)官に任じて職務に就かせること。ぶにん。

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精選版 日本国語大辞典 「補任」の意味・読み・例文・類語

ぶ‐にん【補任】

  1. 〘 名詞 〙 ( 「ふにん」とも )
  2. 官職に任命すること。また、位階を与えること。後にはそのほか諸職に任ずることもいう。
    1. [初出の実例]「然後補任、応官裁」(出典続日本紀‐和銅五年(712)四月丁巳)
    2. [その他の文献]〔後漢書‐章帝紀〕
  3. ぶにんじょう(補任状)」の略。
    1. [初出の実例]「近国の大庄八箇所自筆に補任(フニン)を書て青砥左衛門にぞ給ひたりける」(出典:太平記(14C後)三五)

ほ‐にん【補任】

  1. 〘 名詞 〙 職に補し官に任じること。ぶにん。〔和英語林集成再版)(1872)〕

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普及版 字通 「補任」の読み・字形・画数・意味

【補任】ほにん・ぶにん

官職を命ずる。〔後漢書、章帝紀〕(建初五年五月)武の詔書曰く、~今外官に曠(くわう)(空席)多し。竝(み)な以て補任すべしと。

字通「補」の項目を見る

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世界大百科事典(旧版)内の補任の言及

【充行(宛行)】より

…なかでも荘園や所領での土地の給与の意味でしばしば使われたことから,その後の武家社会における主従関係の発展とともに,主人から従者に与えられる恩給の意味で用いられるようになった(御恩・奉公)。その恩給は武家社会では,はじめのうち所領については充行,所職については補任(ぶにん)と区別されていたが,やがてともに充行としてとらえられるようになった。そのため充行の際に作成される文書は,充文(あてぶみ),充行状のほかに,さらに補任状まで含められる。…

※「補任」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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