阿須伎神社(読み)あずきじんじや

日本歴史地名大系 「阿須伎神社」の解説

阿須伎神社
あずきじんじや

[現在地名]大社町遥堪

東西に走る国道四三一号の北側山麓に鎮座する。主祭神は阿遅須伎高日子根命。旧郷社。平安末期以後、中世近世を通じて杵築大社(出雲大社)の末社とされた。阿式社・阿式宮・安食社・安式宮・阿式大明神などともみえ、「あじき」ともいう。もと阿式谷あじきだに川の西にあったが、慶長一四年(一六〇九)洪水により現在地に移ったといわれ(簸川郡史)、宝治二年(一二四八)頃に作成されたと推定される杵築大社并神郷図(千家家蔵)でもこれを確認できる。「出雲国風土記」の出雲郡阿受伎あずき社、「延喜式」神名帳にみえる同郡「アスキノ神社」に比定される。風土記では「阿受伎」「阿受支」「阿受枳」と記す神社が当社のほか同郡に三九社もあるが、いずれも早くから当社に合祀されていたと考えられる。阿式神は貞観七年(八六五)一〇月二八日に従五位上、同一三年一一月一〇日に正五位下に叙された(ともに「三代実録」同日条)。なお前掲神名帳では阿伎神社の次に同社神あるいは同社を冠した韓国伊太からくにいたて神社・天若日子あめわかひこ神社二社・佐袁すさのお神社・神魂意保刀自かみむすびおほとじ神社・神阿伎神社・神伊佐那伎かんいさなき神社・阿麻能比奈等理あまのひなとり神社・伊佐我いさか神社・阿遅あちすき神社が記され、いずれも当社に合祀されたという。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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