大社町(読み)たいしやまち

日本歴史地名大系 「大社町」の解説

大社町
たいしやまち

面積:四二・四四平方キロ(境界未定)

島根半島の西端、出雲市の成立によって三分割された簸川郡北端に位置する。北と西は日本海に臨み、南は出雲市、東は平田市に接する。町域は南部の出雲平野に続く平地を除いて北部は北山の山塊にあたり、平田市境の弥山みせん(四九五・八メートル)りゆう(三一二メートル)坪背つぼせ(三七一メートル)などの山々が連なる。北山西端には日御碕ひのみさきがあり、この付近から東方は入組んだ海岸線が続き、日御碕港・宇龍うりゆう港・鷺浦さぎうら港・鵜峠うど港といった漁港がある。現在東流して宍道湖に注ぐ斐伊川は、近世初期までは当町南端付近を西流しており、ほり川は近世初期に開削されたという。国道四三一号は平田市・出雲市を経て当町域に入り、大社市街で南に折れて出雲市に抜ける。市街付近は古くから杵築大社(出雲大社)門前町として栄え、現在に至る。

縄文時代早期末頃の菱根ひしね遺跡は古宍道湾(宍道湖の前身)頃の様子を伝える遺跡として重要で、原山はらやま遺跡は縄文時代から中世に及ぶ複合遺跡として知られる。古墳は日御碕の高天原たかまがはら古墳などがある。古代は出雲郡に所属。「出雲国風土記」にみえる出雲御埼いづものみさき山は「高さ三百六十丈、周り九十六里一百六十五歩あり」と記され、日御碕から平田市・出雲市境の旅伏たぶし山にかけての北山の山塊に比定される。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報