普及版 字通 「陂」の読み・字形・画数・意味
陂
8画
[字訓] さか・つつみ・かたむく
[説文解字]

[字形] 形声
声符は皮(ひ)。皮に陂陀(はだ)として起伏しながらうちつづくものの意がある。〔説文〕十四下に「阪なり」とあり、また「一に曰く、池なり」(段注本)とあって、堤防の意に解するようである。〔玉
〕に「傾くなり、
(なな)めなり」というのは、山旁の意であろう。
(ふ)は神の陟降(ちよくこう)する神梯の象であるから、陂とはそのような聖地の地勢をいう。〔楚辞、招魂〕「
異
(へうしよく)、陂陀(はだ)に侍す」とは、神の住むところに侍する意である。[訓義]
1. さか、つつみ、やまのかたわら。
2. いけ、きし、ふさぐ、せく。
3. ななめ、かたむく、かたよる。
4. そう、よりそう。
[古辞書の訓]
〔新
字鏡〕坡・陂
坎なり。土を以て水を壅ぐなり。
、
やかなるなり。佐加(さか)、
、与久(よく)、
、豆々牟(つつむ) 〔名義抄〕陂 イケ・サハ・ツツミ・クヅル・カタブト・カタブク・ヒトヘ/陂池 カタクヅシ 〔
立〕陂 サハ・ツツミ・タマル・イケ[語系]
陂piai、坡phuaiは声義近く、〔説文〕に阪と坡(は)とを互訓し、同義とする。陂は神梯の象に従い、もと聖地についていう語であろう。阪と坂の関係と同じ。坡は〔詩、衛風、氓〕「隰(しふ)には則ち
(はん)
り」の〔毛伝〕に「
は坡なり」とあり、堤の意である。[熟語]
陂陀▶・陂唐▶・陂
▶・陂僻▶・陂渠▶・陂曲▶・陂溝▶・陂
▶・陂障▶・陂沢▶・陂池▶・陂田▶[下接語]
陂・壊陂・空陂・険陂・荒陂・高陂・沢陂・長陂・廃陂・平陂・緑陂出典 平凡社「普及版 字通」普及版 字通について 情報

