日本大百科全書(ニッポニカ) 「除虫菊剤」の意味・わかりやすい解説 除虫菊剤じょちゅうぎくざい ジョチュウギクと通称されるシロバナムシヨケギクに含まれる成分を利用した殺虫剤。主成分はシロバナムシヨケギクのおもに子房中に含まれるピレトリンとその類縁化合物で、虫体に付着すると全身麻痺(まひ)や運動不能をおこして死ぬ。除虫菊剤は速効性で、抵抗性がつきにくく、人畜に無害で、分解しやすいなどの特徴を有するが、安価で効力の優れた誘導体の合成ピレトリン類の出現により、現在はほとんど生産されておらず、家庭園芸用や衛生害虫の防除などに一部利用されているのみである。[村田道雄] 出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例