陳方(読み)ちんぽう

精選版 日本国語大辞典 「陳方」の意味・読み・例文・類語

ちん‐ぽう‥パウ【陳方・陳法パフ】

  1. 〘 名詞 〙 ( 「ちんぼう」とも )
  2. 弁解すること。申し開きすること。特に中世の訴訟制度で、論人(被告)が自分の罪状を否認し、その無実を論証することをいう。その論駁ができないことを「陳方を失う」「陳方無し」などという。
    1. [初出の実例]「召決両方之処、百姓等依無陳方、如元国安還補本名」(出典:東寺百合文書‐は・弘安一〇年(1287)一二月日・若狭太良荘雑掌尼浄妙重申状案)
    2. 「いまにをひてそれかしが、判官殿の御内にあるなしなむどの、ちんはうをすべき身にてもあらばこそ」(出典:幸若・清重(室町末‐近世初))
  3. そむくこと。あらがうこと。
    1. [初出の実例]「シスル ノ ヲソレ フカキガ ユエニ、ヲンナ ノ コエ ニ ヲソレ、イノチ ノ ヲン アルジ ヲ chinpǒ(チンパウ) xi(シ) タテマツラルルナリ」(出典:信心録(ヒイデスの導師)(1592)二)

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例

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