導師(読み)ドウシ

デジタル大辞泉 「導師」の意味・読み・例文・類語

どう‐し〔ダウ‐〕【導師】

の教えを説いて、人々を仏道に入らせる僧。また、仏・菩薩ぼさつのこと。
法会などのとき、衆僧首座として儀式を執り行う僧。
葬儀のとき、死者の霊を弔い鎮める僧。引導僧。

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精選版 日本国語大辞典 「導師」の意味・読み・例文・類語

どう‐しダウ‥【導師】

  1. 〘 名詞 〙 仏語。
  2. 仏の教えを説いて衆生を悟りの道に導く者。特に、仏・菩薩をさしていう。
    1. [初出の実例]「導師謂仏」(出典:法華義疏(7C前)一)
    2. [その他の文献]〔持心梵天所問経‐四〕
  3. 法会・供養などの時、衆僧の首座となって儀式をとり行なう僧。また、葬儀の首座となり、引導をわたす僧。
    1. [初出の実例]「近来奉修理東大寺大毗盧遮那仏像。功夫既成〈略〉令下二導師具演事由」(出典:日本三代実録‐貞観三年(861)正月二一日)
  4. 一般に、人生や信仰の指導者
    1. [初出の実例]「導師(ダウシ)の称を受ること勿れ」(出典:引照新約全書(1880)馬太伝福音書)

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改訂新版 世界大百科事典 「導師」の意味・わかりやすい解説

導師 (どうし)

仏教儀式(法要)の中心となる僧の役名。通常は一山の代表,あるいはそれに準ずる立場の人がその任にあたり,法要を主宰する。法要はいずれの場合も明確な趣旨をもって執行され,つねに一定の構造による首尾一貫した次第が構成されているが,導師はその最高責任者として法要の出勤者全体を統括し,みずからも最も重要な作法を行う。たとえていえば指揮者と独奏者を兼ねた立場である。導師には法要全体を統括する役割の導師と,法要の特定の部分のみの主役を勤める導師があり,前者を大導師,後者を時(じ)導師などと呼ぶ。時導師は1日に数回行われる法要のおのおのの時(じ)の導師という意味である。1日に6回の法要が行われる六時(ろくじ)の法要では,それぞれの時ごとに交代声明(しようみよう)や所作の先導役が出る。時導師には比較的若年僧侶が立つことが多く,法要の構成要件の基本的な部分を受け持つ。法要の主旨に直接かかわる祈願などは大導師が受け持つ。このほか部分主役に相当する役名としては,誦経(ずきよう)導師や神分導師があり,誦経導師は真言宗曼陀羅供で誦経別行と称する法要形式のおりに設けられ,大導師が作法を行って,礼盤(らいばん)から降りた後,誦経役の導師が礼盤に登り,法要の趣旨などを述べる表白(ひようびやく)を朗読したりする。ほかに,大規模な庭儀法要などには脇導師,副導師などを設けることがある。四天王寺聖霊会では,導師に相当する役が左右に存在し,一舎利(いつしやり)・二舎利(にしやり)と称している。また導師と同様の役割を,宗派や法要の性格によって調声(ちようしよう)とか主懺(しゆせん)とか称することもある。
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日本大百科全書(ニッポニカ) 「導師」の意味・わかりやすい解説

導師
どうし

唱導師のこと。元来は人を迷道から善道に導く師、衆生(しゅじょう)を仏道に誘引する教化(きょうげ)者、または仏・菩薩(ぼさつ)のこと。転じて、仏教の法要儀礼に際し、衆僧を率いてその法要を主宰し、正面拝席(はいせき)についてその儀礼を中心となって執行する僧。また、観音懺法(かんのんせんぼう)などの儀礼で、祭文(さいもん)を表白(ひょうびゃく)宣読する役の僧。禅宗寺院では、法会の首座にあって経文を唱え始め、衆僧の誦経(じゅきょう)を導く維那(いの)の役を意味することもあった。

[石川力山]

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「導師」の意味・わかりやすい解説

導師
どうし

仏教用語。 (1) 人を正道に導く者の通称。 (2) 法要に際して中心となり,願文,表白などを述べて人々を導引する師のこと。

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普及版 字通 「導師」の読み・字形・画数・意味

【導師】どうし

主導の僧。

字通「導」の項目を見る

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葬儀辞典 「導師」の解説

導師

仏教を教える指導者。また、葬儀を執り行う最上位の僧侶。

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世界大百科事典(旧版)内の導師の言及

【大壇】より

…仏事の法具名。密教立(みつきようだて)の法要のとき,導師(どうし)が修法に用いる正方形大型の壇(図)。四隅に細い棒状の橛(けつ)という柱を立て,これに壇線という五色の糸でよった縄をからませて四方を囲む。…

※「導師」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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