導師(読み)どうし

世界大百科事典 第2版の解説

どうし【導師】

仏教儀式(法要)の中心となる僧の役名。通常は一山の代表,あるいはそれに準ずる立場の人がその任にあたり,法要を主宰する。法要はいずれの場合も明確な趣旨をもって執行され,つねに一定の構造による首尾一貫した次第が構成されているが,導師はその最高責任者として法要の出勤者全体を統括し,みずからも最も重要な作法を行う。たとえていえば指揮者と独奏者を兼ねた立場である。導師には法要全体を統括する役割の導師と,法要の特定の部分のみの主役を勤める導師があり,前者を大導師,後者を時(じ)導師などと呼ぶ。

出典 株式会社平凡社世界大百科事典 第2版について 情報

大辞林 第三版の解説

どうし【導師】

仏道を説き、人々を仏道に導く者。高僧や仏・菩薩をいう。
法会ほうえに際して、集まった僧の中心となり儀式を行う僧。唱導師。
葬儀に際して、死者に引導を渡す僧。
ヨーガなどで、指導者のこと。グル。

出典 三省堂大辞林 第三版について 情報

日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

導師
どうし

唱導師のこと。元来は人を迷道から善道に導く師、衆生(しゅじょう)を仏道に誘引する教化(きょうげ)者、または仏・菩薩(ぼさつ)のこと。転じて、仏教の法要儀礼に際し、衆僧を率いてその法要を主宰し、正面拝席(はいせき)についてその儀礼を中心となって執行する僧。また、観音懺法(かんのんせんぼう)などの儀礼で、祭文(さいもん)を表白(ひょうびゃく)宣読する役の僧。禅宗寺院では、法会の首座にあって経文を唱え始め、衆僧の誦経(じゅきょう)を導く維那(いの)の役を意味することもあった。[石川力山]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

精選版 日本国語大辞典の解説

どう‐し ダウ‥【導師】

〘名〙 仏語。
① 仏の教えを説いて衆生を悟りの道に導く者。特に、仏・菩薩をさしていう。
※法華義疏(7C前)一「導師謂仏」 〔持心梵天所問経‐四〕
② 法会・供養などの時、衆僧の首座となって儀式をとり行なう僧。また、葬儀の首座となり、引導をわたす僧。
※三代実録‐貞観三年(861)正月二一日「近来奉修理東大寺大毗盧遮那仏像。功夫既成〈略〉令下二導師具演事由
③ 一般に、人生や信仰の指導者。
※引照新約全書(1880)馬太伝福音書「導師(ダウシ)の称を受ること勿れ」

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報

世界大百科事典内の導師の言及

【大壇】より

…仏事の法具名。密教立(みつきようだて)の法要のとき,導師(どうし)が修法に用いる正方形大型の壇(図)。四隅に細い棒状の橛(けつ)という柱を立て,これに壇線という五色の糸でよった縄をからませて四方を囲む。…

※「導師」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社世界大百科事典 第2版について | 情報

今日のキーワード

台風一過

台風が通り過ぎたあと、空が晴れ渡りよい天気になること。転じて、騒動が収まり、晴れ晴れとすること。...

続きを読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android

導師の関連情報