陶器所
すえきしよ
鎌倉時代末期にみえる美濃国衙領の一部。嘉元四年(一三〇六)六月一二日の昭慶門院領目録(京都大学蔵古文書集)に「陶器所」とみえる。陶器所とは国衙直営の陶器(須恵器)生産工房で、現在の岐阜市から各務原市北部にかけて連なる丘陵の山麓に分布する古窯跡群は、古墳時代から鎌倉時代にかけて長期にわたって須恵器生産が行われていたことが確認されており、陶器所の地は同市北部の須衛地区に比定される。前掲目録には陶器所の右に「春日局」の書入れがあり、これに黒合点が付され、同下には「大夫局」とある。
出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報
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