日本大百科全書(ニッポニカ) 「陶孟和」の意味・わかりやすい解説
陶孟和
とうもうわ / タオモンホー
(1887―1960)
中国の社会学者。名は履恭(りきょう)。河北(かほく)省の人。日本の東京高等師範学校を卒業後、ロンドン大学に留学。帰国後、1914年から北京(ペキン)大学社会学教授、1928年から北京社会調査所長として、欧米の社会調査法によって中国社会を研究、1934年以降国立中央研究院社会科学研究所長。この間、『新青年』誌上でのエスペラント採用論争にも参加した。日中戦争中は国民参政員を兼ねていたが、解放後は科学院副院長になり、1954年には全国人民代表大会代表になる。1957年に自らの反党・反社会主義性を自己批判した。主著に『孟和文存』(1925)、『北平生活費の分析』(1933)、『中国の農村および都市生活』(英文・共著・1924)などがある。
[河村 望]