集団心(読み)しゅうだんしん

日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

集団心
しゅうだんしん
group mind英語
Gruppengeistドイツ語
conscience collectiveフランス語

複数の個人の集合態である集団は、多くの場合、単なる諸個人の寄せ集めではなく、集団を構成している個人の総和以上の存在であるという考えから、集団を実体的に考え、集団を擬人化して、集団を構成する個々人の心理を超えた集団心の存在が想定された。このような考え方は、客観精神、民族精神、民族心、集合表象、集合意識などとよばれるものの議論とも相通じるところがあるのであるが、集団ないし社会を超個人と見立て、これに心理的実体を認めようとするいささか神秘的な類比論に対して、イギリスの社会心理学マクドゥーガルは、集団心の原型を国民に求めたが、個人の内部以外に意識の存在を認めず、「互いに交渉しあう精神的ないし心理的諸力の体制化された体系」であるとした。このような考え方は、集団を構成する個人とは別の存在として集団を研究しようとして1930年代終わりごろに誕生した「集団力学」(グループ・ダイナミックスgroup dynamics)の構想につながるものといえよう。[辻 正三]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

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