デジタル大辞泉
「集合表象」の意味・読み・例文・類語
しゅうごう‐ひょうしょう〔シフガフヘウシヤウ〕【集合表象】
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しゅうごう‐ひょうしょうシフガフヘウシャウ【集合表象】
- 〘 名詞 〙 ( [フランス語] représentation collective の訳語 ) デュルケーム社会学の基本的概念の一つ。個人表象相互間の交渉から生まれるが、個人表象の集合を越えた集団の意識。それによって社会生活が維持されるとする。集団表象。
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集合表象
しゅうごうひょうしょう
représentation collective フランス語
フランスの社会学者デュルケームによって用いられた概念。集団生活を基体として成立する一種独特の表象で、個々人の意識の作用に還元しえないものをいう。集合意識とほとんど同義に使われることが多いが、その表象としての機能面をさしているといえよう。デュルケームによれば、個人の意識において形成される表象、個人表象は、集団を基体として成立する集合表象とは区別される。後者は一種独特の総合の所産であり、集団が自らや自らにかかわりをもつ諸対象についてつくりあげる表象である。たとえば、社会がある守護動物をその祖先と考えていたり、またある神を想像し、その守護を受けていると信じているとき、これらは個々人の意識に還元できない独自の集合表象をなしている。このように個人のそれとは異なる独自の構成をもった意識現象を想定することは、心理学的ないし個人主義的アプローチとは異なる社会学的アプローチを要請することになる。デュルケームは、宗教、道徳、その他広く社会的な行為様式や思惟(しい)様式をこのようなものとしてとらえ、社会学的に考察し、成果をあげた。
[宮島 喬]
『E・デュルケーム著、山田吉彦訳『社会学と哲学』(1952・創元社)』
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集合表象【しゅうごうひょうしょう】
デュルケームに用いられた概念。一つの社会集団において,客観的な事実として確認され,かつそれが個人に内面化されている象徴,認識の働き。神話や民話,ある種の思想あるいは偏見などがそれで,社会集団の成員個々人の心意やその総和には還元できない,個人にとっては外在的な実在としてとらえられる〈社会的事実〉の一つであるとされる。この考え方は,この概念を用いて宗教表象の働きを解明した《宗教生活の原初形態》などの仕事とともに,文化人類学,社会意識論,また歴史学や文学批評まで広く大きな影響を与えた。
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集合表象
しゅうごうひょうしょう
représentation collective
É.デュルケムの用語。彼は,社会的事実というものがあくまで個人心理に還元されないある実体であると考えた。それは,個人に外在し,個人を拘束する一種の心意であり,具体的には,行為,思考,感覚の一定の様式であるとし,これを集合表象と呼んでいる。
出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報
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