改訂新版 世界大百科事典 「離陸補助ロケット」の意味・わかりやすい解説
離陸補助ロケット (りりくほじょロケット)
航空機自身の推進装置のみでは離陸困難な場合に,離陸から安定に飛行しうるようになるまでの間,推力を増大するために補助的に使用されるロケットエンジン。このような離陸方法をラトーRATO(rocket assisted take offの略)と呼ぶ。小型軽量で短時間に大推力を出せるロケットエンジンの特性を利用したもので,使用秒時によるが,通常固体ロケットエンジンが使われることが多い。使用後投棄されるのがふつうである。ランチャー発射の宇宙船,ミサイル,無人航空機などのブースターもその一種といえる。ジェットエンジンの推力は,飛行速度でそれほど大きく変わらず,エンジンの軸動力を用いプロペラで推力を発生する場合のように低速時に推力が増大することがないので,初期の,推力と全機重量との比の小さいジェット機では離陸補助ロケットがよく使われた。
執筆者:八田 桂三
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報