難波男人書(読み)なにわのおびとのふみ

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「難波男人書」の意味・わかりやすい解説

難波男人書
なにわのおびとのふみ

伊吉博徳 (いきのはかとこ) 書』 (→伊吉博徳 ) とともに,最古の中国旅行記。男人は,斉明5 (659) 年遣唐使に従って入唐した。全文不明であるが,『日本書紀』は,この年7月の条に,「難波吉士 (きし) 男人書に曰く」として,「唐に向った大使の船は島に触れて転覆し,副使は無事に唐に着いた。彼らは天子に謁見し,同行蝦夷 (えぞ) を天子に引合せた。蝦夷は白鹿皮,弓箭などを天子に献上した」と記している。

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世界大百科事典(旧版)内の難波男人書の言及

【伊吉博徳書】より

…筆者の伊吉博徳は帰国後も唐との交渉にあたり,大津皇子事件では一時逮捕されたが,持統朝に遣新羅使となり,文武朝には大宝律令の制定に参加した。ほかに《難波男人書(なにわのおひとのしよ)》も同様な遣唐使人の記録である。【青木 和夫】。…

※「難波男人書」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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