雨裂浸食(読み)うれつしんしょく(その他表記)gully erosion

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「雨裂浸食」の意味・わかりやすい解説

雨裂浸食
うれつしんしょく
gully erosion

雨裂をつくるような浸食作用降雨や融雪水が植生の少い傾斜した土壌の表面を流れ,わずかの凹所に雨水や融雪水が集中して,細長い深い溝を形成する。土壌浸食の一つの作用で,耕地を浸食して被害を与える。火山灰におおわれた斜面氷河堆積物氷礫粘土などの地域によく発達する。アメリカのサウスダコタ州傾斜地ボリビアのラパス南方の氷礫粘土の堆積物中に無数の雨裂が発達し,悪地を形成している。雨谷浸食ともいう。

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世界大百科事典(旧版)内の雨裂浸食の言及

【土壌浸食】より

…雨水や融雪,融氷水が広い範囲にわたって流去する場合,まず土壌表層が薄い層状に流亡する(面状浸食,表面浸食,層状浸食などという)。面状浸食が進行すると小さな起伏や溝を生じ,流去水の加速とともに浸食が拡大する(雨裂浸食,細流浸食)。さらに浸食が進み土壌が深くえぐられ峡谷が形成されたものを峡谷浸食(地隙(ちげき)浸食)という。…

※「雨裂浸食」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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