電子指紋照合(読み)でんししもんしょうごう(英語表記)electronic fingerprint recognition

日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

電子指紋照合
でんししもんしょうごう
electronic fingerprint recognition

パターン認識技術を応用して指紋を照合するシステムをいう。指紋は一生変わることがなく、同じ指紋をもつ人間は2人といないということから、これを用いれば厳密な個人識別が可能となる。早くから応用されたのは遺留指紋による犯罪捜査であるが、最近では建物などの特定領域への出入管理や商取引での個人確認などにも、電子指紋照合システムが開発されている。個人確認のためには、まず出入口に置かれた装置に個人の登録番号を入力し、指を走査装置の上にのせると、フライング・スポット・スキャナーが指紋を走査し、数学的処理を行って指紋パターンの特徴を数値化する。これをすでに登録した指紋の数値化された特徴と比較し、個人確認がなされる。この場合、指にインキをつけずに直接指紋を読み取る方式が、技術的には要求される。犯罪捜査では、遺留指紋が不完全なことが多く、専門家が修正加筆したパターンを走査・入力するなどの前処理が必要となる。また、犯罪捜査では、個人確認に比べて探索に長時間を要する点も問題である。指紋照合の自動化は、画像処理やパターン認識の研究課題としても注目されており、将来、急速な改良・普及が予測されている。

[古川俊之]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

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