化学辞典 第2版 「電極触媒反応」の解説
電極触媒反応
デンキョクショクバイハンノウ
electrocatalysis
電極反応に対する電極材料の触媒作用がかかわる電極反応をいう.たとえば,燃料電池では白金電極が単なる電極としてだけではなく,水素の酸化反応を促進する触媒的なはたらきをしている.また,電極の触媒作用を利用して,電極を選ぶことにより,目的とする生成物を選択的に合成することができる.たとえば,二酸化炭素を電解還元する場合に,銅を電極とするとメタンを生じ,鉛を電極とするとギ酸を生じる.これなども電極への二酸化炭素の吸着状態が異なるためであり,電極の触媒作用といえる.電極触媒(electrode catalyst)は,吸着,過電圧の低下,表面積拡大などにより電極反応を選択的に促進する作用を示す.
出典 森北出版「化学辞典(第2版)」化学辞典 第2版について 情報