電磁環境両立性(読み)でんじかんきょうりょうりつせい(英語表記)Electromagnetic Compatibility; EMC

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典「電磁環境両立性」の解説

電磁環境両立性
でんじかんきょうりょうりつせい
Electromagnetic Compatibility; EMC

電子機器や自動車などが発する不要な電磁波が,ほかの電子機器の本来の動作妨害したり誤作動させたりする現象を排除する対策。電磁両立性ともいう。たとえば,航空機客室のパーソナル・コンピュータや DVDプレーヤが航法用電子機器を誤作動させた例があり,また携帯電話が植込型心臓ペースメーカー(→ペースメーカー)などの医療機器に影響する可能性も指摘される。これらを防ぐために,機器からの妨害電磁波の発生 EMI; Electromagnetic Interferenceを規制すること,および妨害電磁波を受けても誤作動しない耐性 EMS; Electromagnetic Susceptibilityを電子機器に付与することが重要となる。EMIの規格をエミッション規格,EMSの規格をイミュニティ規格といい,これらを合わせて電磁環境両立性 EMCという概念が成立している。国際的には,国際電気標準会議 IECの特別委員会である国際無線障害特別委員会 CISPRが,不要電磁波の測定方法や EMI・EMSに関する各種規格を決めている。日本では,総務省情報通信審議会に属する電波利用環境委員会で CIPSRの規格を議論しており,法令や業界の自主規制などに反映されている。

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知恵蔵「電磁環境両立性」の解説

電磁環境両立性

電気機器が動作中に、内部電流が断続すると、外部に電磁波ノイズ(雑音)が発生する。特にマイクロコンピューター搭載機器や調光装置ではノイズが大きく、他の電気機器、とりわけ通信機器や自動制御機器の動作を妨害、誤動作による事故の原因となり、電磁環境を悪化させる。パソコンの普及や動作電圧の低下、マイコン搭載家電製品の普及で、被害が増えてきた。電磁環境の悪化を防ぐようにするのがEMC(電磁環境両立性)。日本では業界が自主規制の形で対策を行っているが、米国では法的に厳しく規制されている。

(荒川泰彦 東京大学教授 / 桜井貴康 東京大学教授 / 2007年)

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