電解分極(読み)でんかいぶんきょく(その他表記)electrolytic polarization

改訂新版 世界大百科事典 「電解分極」の意味・わかりやすい解説

電解分極 (でんかいぶんきょく)
electrolytic polarization

電池系に電流が流れているときに,電池の端子間の電圧Uが,電流が流れていない状態での値U0からずれる現象を,一般に電解分極または電気化学的分極electrochemical polarizationという。また,UU0との差を分極電圧polarization voltageといい,その値は電流の大きさや向きによって変化する。電池の分極電圧は,電池を構成している各電極系における分極電圧と,電池内部の電気抵抗によるオーム降下(電流がI内部抵抗Rならばオーム降下はIRで与えられる)との和に等しい。ある電流が流れている状態で,特定の電極系でおこっている電極反応がただ1種類であるときには,その電極系の分極電圧と過電圧とは相等しい。しかし,数種の電極反応が同時に進行している場合には,分極電圧と個々の電極反応に対する過電圧とが等しいとは限らない。この意味で,分極電圧は過電圧よりも一般的な概念である。
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出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報

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