最新 地学事典 「非履歴性残留磁化」の解説
ひりれきせいざんりゅうじか
非履歴性残留磁化
anhysteretic remanent magnetization
ARMと略称。強磁性体に交流磁場を作用させ緩やかに減衰させると,磁化履歴曲線に従って正負の極性の磁化を繰り返す。このとき直流磁場も作用させて生じた人工的な残留磁化をARMという。直流磁場の強さが地球磁場程度のときには,ARMの大きさは直流磁場の強さに比例する。交流消磁装置に地球磁場程度の直流磁場を導入することで簡単に付加できる。熱残留磁化の獲得過程での緩和時間が温度に支配されているように,この過程では緩和時間は交流磁場の強さに依存している。ARMの消磁特性が熱残留磁化のそれとよく似ている場合が多いので,熱残留磁化やそれを担う磁性鉱物の評価に利用される。例えば,ショー法による古地球磁場強度の推定や,ARMと初帯磁率との比による磁性鉱物の粒径推定など。
執筆者:鳥居 雅之
出典 平凡社「最新 地学事典」最新 地学事典について 情報

