面を被る(読み)メンヲカブル

デジタル大辞泉 「面を被る」の意味・読み・例文・類語

めんかぶ・る

仮面で顔を覆う。
本当の姿を隠して、別のものに見せる。「善人の―・る」

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

精選版 日本国語大辞典 「面を被る」の意味・読み・例文・類語

めん【面】 を 被(かぶ・かむ)

  1. 仮面で顔をおおう。また、比喩的に、それらしく見せる。ある風をよそおう。
    1. [初出の実例]「『御意にいったら媒妁(なかだち)を仕ようかな』『〈略〉先づお断り申して、面でも冠(カム)って参った時に致しませう』」(出典:人情本・梅之春(1838‐39)三)
  2. 恥ずかしさに、顔を隠す。
    1. [初出の実例]「顔上げていふもいはれぬ身の誤り、美しういうてたもる程、おりゃ面がかぶりたい」(出典:浄瑠璃・桂川連理柵(おはん長右衛門)(1776)下)
  3. 恥を忍ぶ。臆面なくする。
    1. [初出の実例]「今更此詞を引かへ〈略〉いか成面(メン)をかぶってか、頬(つら)出ししては云ふべきぞ」(出典:浄瑠璃・本朝三国志(1719)三)
  4. ある容貌を有する。
    1. [初出の実例]「おめへのやうないい面をかぶってゐて、客人が一箇(ひとり)ねへといふも」(出典:人情本・春秋二季種(1844‐61頃)初)

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例

今日のキーワード

南海トラフ臨時情報

東海沖から九州沖の海底に延びる溝状の地形(トラフ)沿いで、巨大地震発生の可能性が相対的に高まった場合に気象庁が発表する。2019年に運用が始まった。想定震源域でマグニチュード(M)6・8以上の地震が...

南海トラフ臨時情報の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android