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音韻対応 おんいんたいおうphonological(phonetic) correspondence

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

音韻対応
おんいんたいおう
phonological(phonetic) correspondence

2つあるいはそれ以上の言語 (方言) を比較した場合に,形態素単語という言語形式,つまり音と意味の連合から成る言語単位において,その言語形式を構成している音の間に規則的な関係があるとき,これを対応という。この音韻対応を定式化したものを音韻法則という。東京方言と首里方言との間には,たとえば次のような対応がみられる。'ame (雨) =ʔami,kane (金) =kani,ke (毛) =kii,te (手) =tiiなどから,eにiが対応し'oto (音) =ʔutu,kumo (雲) =kumu,kokoro (心) =kukuruなどからoにuが対応する。このように,音の対応といっても実は形態素・単語の対応であるから,それを離れた音韻体系や文法体系の枠だけの類似・一致はこの意味での対応とはいわない。ラテン語と日本語はともにa,i,u,e,oの5母音をもつが,これは枠だけの一致で形態素の間の対応ではない。音と意味との関係が非必然的である形態素や単語に対応関係があるということは,偶然の一致とはいえず,それらを有する言語間に親族関係があることの有力な証拠となる。印欧語族におけるグリムの法則が有名。

出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報

世界大百科事典内の音韻対応の言及

【言語】より

…一つの語族の中で,その祖語より分岐してできたいくつかの言語の一つを祖語とする言語の集合を〈語派〉と呼ぶ。同一祖語より分岐してあまり時間が経過しない場合(おそらくは数千年を超えない場合),上述の音韻変化の規則性によって,その二つの言語の音形と意味の似た単語同士の間に〈音韻対応(の通則)〉が認められる。すなわち,それらの単語(の音形)同士に関して,原則として初めから終りまで,該当個所の音同士が他の単語同士でも確認できる対応を示す現象である。…

※「音韻対応」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社世界大百科事典 第2版について | 情報

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