連合(読み)レンゴウ(その他表記)coalition

翻訳|coalition

デジタル大辞泉 「連合」の意味・読み・例文・類語

れん‐ごう〔‐ガフ〕【連合/×聯合】

[名](スル)
二つ以上のものが共通の目的のために結び合うこと。「―して共同の敵に当たる」
心理学で、観念と観念、観念と感情など心的要素の結合、また刺激と反応との結合をいう。
《「日本労働組合総連合会」の略称》平成元年(1989)に発足した労働組合の統一組織。昭和62年(1987)に結成された全日本民間労働組合連合会総評官公労組が参加し、官民統一の組織が実現した。
[類語]合同合併合体同盟連盟合一併合合流

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共同通信ニュース用語解説 「連合」の解説

連合

民間と官公労働組合が統合し、1989年に結成された日本最大のナショナルセンター(全国中央組織)。正式名称は日本労働組合総連合会。47の産業別労組が加盟し、組合員数は約700万人に上る。春闘での賃上げなど労働者の生活向上に取り組むほか、政策実現を目指し政治活動にも力を入れる。初の女性トップとなった芳野友子よしの・ともこ会長は現在2期目。

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精選版 日本国語大辞典 「連合」の意味・読み・例文・類語

れん‐ごう‥ガフ【連合・聯合】

  1. [ 1 ] 〘 名詞 〙
    1. 二つ以上のものが一緒になり組み合うこと。合同すること。〔慶応再版英和対訳辞書(1867)〕
      1. [初出の実例]「再び各国を連合して仏の跋扈を制せんが為」(出典:西洋事情(1866‐70)〈福沢諭吉〉二)
      2. [その他の文献]〔心書‐南蛮〕
    2. 心理学で、観念と観念、観念と感情といった心理的な諸要素が結びつくこと。また、刺激と反応の結合をいう。
  2. [ 2 ] ( 「日本労働組合総連合会」の略称 ) 平成元年(一九八九)に発足した労働組合の統一組織。昭和六二年(一九八七)に結成された全日本民間労働組合連合会に総評や官公労組が参加し、官民統一の組織が実現したもの。

つれ‐あい‥あひ【連合】

  1. 〘 名詞 〙
  2. つれあうこと。連れになること。伴うこと。また、その者。仲間。つれそい。
    1. [初出の実例]「我が日本は孤立にて他国に頼む連合(ツレアヒ)なし」(出典:歌舞伎・夢物語盧生容画(1886)四幕)
  3. 夫婦になること。また、ある人の夫や妻。配偶者。また、夫婦が第三者に対して自分の配偶者をいう語。つれそい。配偶。
    1. [初出の実例]「ある人、久しきつれあひに離れて愁嘆する所へ」(出典:咄本・昨日は今日の物語(1614‐24頃)上)

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「連合」の意味・わかりやすい解説

連合(政治学)
れんごう
coalition

連合とは以下の4点について同意した複数のプレイヤー間の協働関係である。(1)明確に規定された共通目標の追求、(2)目標達成資源の共同提供、(3)目標・目標達成手段に関する積極的情報交換、(4)連合形成時に受け取るペイオフの分配(E・W・キリーの説による)。思想的一致、政策合意を基礎とせず「数の論理」だけで二つ以上の集団が結集する「野合」でもないし、複数集団が自己解体し統一ラベルの下に合体する「合同」でもない。また、権力レベルだけで複数の集団が暫定的に協働関係を樹立する「連立」でもない。連合(政治)とは、市民レベル、選挙レベル、議会レベル、権力レベルで複数集団間の協働関係が一つの(政治)スタイルとして定着・構造化しているシステムの(政治)スタイルである。

 連合を形成することによってプレイヤーが獲得できる利得を「連合ペイオフ」という。連合ペイオフ(たとえば、閣僚ポスト、院内重要ポスト、知識・情報・専門技術、政治献金パイプ、コミュニケーション・チャネルなど)は、連合を実際に形成するプレイヤーだけが獲得できる利得であり、連合パートナーは一定のルールに従って(たとえば、議席数に比例して)分配することができる。

 連合は、形成される連合の規模から三つのパターンに分類できる(L・ドッドの説による)。(1)過大規模連合――これは連合から排除しても一定の勝利基準(たとえば、議会政治では議会内議席の50%プラス一議席)を達成・確保するうえで別段支障のないパートナー(つまり「余分なパートナー」)を少なくとも一つ含んでいる連合である。「余分なパートナー」の数が多いほど、その連合はいっそう過大になる。「余分なパートナー」にも連合ペイオフを分配しなければならないので、ペイオフをめぐる不満が蓄積されるし、イデオロギー距離も大きくなるので、一般に、安定度は想像されるほど高くない。大連合はこのパターンの一変形である。(2)過小規模連合――これは、二つ以上のパートナーが連合してもなおかつ一定の勝利基準を達成できない連合である。つまり、勝利基準を確保するうえで必要なだけのパートナーを含んでいない連合である。この連合は、ペイオフの分配ではパートナーを十分に満足させるが、その運命、業績達成力を連合外勢力にゆだねなければならないので不安定・弱体になる傾向がある。(3)最小勝利連合――これは一定の勝利基準を達成するうえで必要なパートナーを含んでいるが、不必要なパートナーはいっさい含んでいない連合である。連合ペイオフの公平な配分が可能で、パートナー間のイデオロギー距離も極端に大きくならないので、安定度が高く、すべてのプレイヤーは原則としてこのタイプの連合を形成しようと努力する。

 また、形成される連合のパートナーの基本的思想、全体的な勢力分布上の位置を基準にして、(1)隣接同盟型連合と(2)ブリッジ型連合、に分類できる。前者は、思想基盤が隣接しているパートナー間の連合であり、規模がどうであれパートナーに要求される妥協の幅が小さいので、安定度が高い。後者は、思想基盤があまり接点をもたぬパートナー間の連合であり、パートナーの一部に大きな妥協を要求する連合であるため、ペイオフの過剰配分で懐柔できぬときには不満を蓄積させる。連合外勢力は野合という非難を浴びせるであろう。

 連合理論は、連合の形成・維持(経営)・解消(消滅)の全過程を視野に入れ、実証的・体系的な理論を展開しているが、現時点では解消論(連合の寿命論)に研究業績が集中する傾向がある。一般的には、次のような法則が現実的説明能力をもっている。(1)連合の規模――過大規模連合、過小規模連合は、最小勝利連合に比べ安定度が低い。(2)連合パートナー間のイデオロギー距離――イデオロギー距離が大きいほど、思想的親和力が小さくなるので、安定度は低下する。(3)連合パートナーのイデオロギーへの感情移入度――思想的純度を最優先する非妥協的なイデオロギー指向の組織は、思想的純度よりもポストなどの連合ペイオフを重視するプラグマティズム指向の組織に比べ、連合維持の阻止要因となりやすい。思想的妥協を要求しない連合などありえない。(4)連合パートナーの数――連合パートナーの数が多いほど、連合交渉・調整が困難になる。連合ペイオフの分配、政策合意の形成をめぐる不満が累積し、連合離脱宣言をバーゲニング(相手側から有利な条件を引き出すこと)の武器として活用しようとするパートナーが出現する可能性が大きくなるからである。(5)運動の方向――ジュニア・パートナーの地位に甘んずべき小規模のパートナーがポストや政策への不満から遠心的運動に傾斜し、連合外勢力に接近しようとする傾向を備えているとき、連合に必要な求心性が低いため連合維持が困難になる。(6)外的条件――連合を要求・促進する事態(たとえば、絶対多数政党の欠如、戦争、経済危機など)が継続している場合に比べ、それが消滅したときのほうが連合維持は困難になる。

[岡沢憲芙]


連合(心理学)
れんごう
association

心的活動の単位(要素)を結び付けることを意味する。意識内容の要素としては、表象、観念、概念などがあげられ、連想ということもあるが、これらに限らず、広く反応相互、反応―刺激間の結び付きを連合という。

 観念の連合が古くアリストテレスによって主張され、類似、対比、時空的接近が連合の原理として指摘された。近代になってイギリスの経験主義のなかに連合の原理が展開し、連想主義associationismの心理学が形成された。連合には方向性があり、成立時と同方向の順連合、逆方向の逆連合、系列事象の間の距離については、隣接する場合には隣接連合、離れた間には遠隔連合、継時的に生じるか同時に生じるかによって継時連合、同時連合、第三の単位によって間接に結び付くか否かで、間接連合、直接連合が区別される。

 語の連想を研究するうえには連想になんら制限をしない自由連想、連想語の種類を制限する制限連想が行われる。また、任意の有意味・無意味語について、どれだけの連想語が生じるかによって語の連想価とすることもある。語連想については近来、概念的な階層構造が指摘されている。

[小川 隆]


連合(日本労働組合総連合会)
れんごう

日本労働組合総連合会

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百科事典マイペディア 「連合」の意味・わかりやすい解説

連合【れんごう】

正称は日本労働組合総連合会。1987年,日本の労働組合の新しいナショナル・センターとして,全日本民間労働組合連合会(全民労連,連合と略称)が結成された。これに労働四団体のうち,全日本労働総同盟(同盟),中立労働組合連絡会議中立労連),新産別が解体して参加。1989年,残っていた日本労働組合総評議会(総評)が解散し,連合(旧連合とも)とともに日本労働組合総連合会(新連合とも)を結成。加盟組織は民間の58団体と官公系15団体,計759万人(1999)で,日本の労働運動史上最大の規模である。対外的には国際自由労連に参加し,傘下に連合総合生活開発研究所(財),国際労働財団,教育文化協会(社)をもっている。一方,連合に批判的なグループが全労連を結成。これにより労働界は二つの労働中央団体に再編された。
→関連項目合化労連国際自由労連春闘全国金属労働組合全国電気通信労働組合ゼンセン同盟全駐留軍労働組合全逓信労働組合全日本海員組合全日本自治団体労働組合全日本造船機械労働組合全日本電機機器労働組合連合会日教組日本日本私鉄労働組合総連合会日本炭鉱労働組合日本鉄鋼産業労働組合連合会

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改訂新版 世界大百科事典 「連合」の意味・わかりやすい解説

連合 (れんごう)

日本労働組合総連合会の略称で,民間と官公庁のおもな労働組合が結集する日本最大のナショナルセンター。1989年(平成1)結成。民間労組の統一組織として,1987年(昭和62)11月20日,55単産,1オブザーバー組織,6友好組織の計555万人が結集して全日本民間労働組合連合会(略称は連合,通称は民間連合)が結成された。これにともない,従来のナショナルセンターのうち,同盟中立労連は解散し,新産別も1年後の解散を決定した。民間連合は88年2月から官民統一をめざして,総評の中心である官公労,旧同盟系の友愛会議全官公との首脳会談を開始し,民間連合と官公労の統一が決定された。総評系の自治労・日教組などでは反主流派がこの統一に反対して分裂,これらは反連合の全労連に参加することとなった。民間連合と官公労の統一大会は89年11月21日開かれ,日本労働組合総連合会として78単産,約800万人で発足した。総評は連合発足と同時に解散した。国際自由労連に加盟(2006年11月からは国際労働組合総連合に加盟)。加盟単産50,組合員数675万人(公称,2009年3月末現在)
労働運動
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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「連合」の意味・わかりやすい解説

連合
れんごう
association

心理学用語。要素的経験がある法則に従い結合され,表象的心像や観念として復元されることをいう。連合の役割を強調する連合主義はイギリスの連想学派に始り,C.R.ダーウィンの進化論の影響を受け,H.スペンサー,A.ベインらによって連合心理学として確立された。この立場はアメリカの W.ジェームズにも影響を与え,これが現代の機能心理学として発展している。さらに,刺激と反応との結合または連合を主張する E.L.ソーンダイクの結合主義もまたこの流れの代表的な展開の一形態であり,ひいては J.B.ワトソンを祖とする行動主義的心理学の発展につながっている。ドイツにおいては,J.ヘルバルトの表象力学,さらに H.エビングハウスによる記憶の実験的研究が注目されるが,W.ブントも初期においては統覚的結合と同時に連合的結合を重視した。フランスでは,T.A.リボーがスペンサーやベイン流の進化論的連合主義と精神病理学とを統合し,現代フランス心理学の基盤を提供した。連合心理学は基本的には要素主義的であるため,ゲシュタルト学派によって批判されたが,新行動主義など現代心理学の理論的中核となっている。

連合[労働組合]
れんごう[ろうどうくみあい]

日本労働組合総連合会」のページをご覧ください。

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知恵蔵 「連合」の解説

連合

日本労働組合総連合会の略。日本最大の労働組合のナショナルセンター(労働組合の全国的連絡協議組織)。組合員は2007年6月現在、約65万人。1989年11月発足。自由にして民主的な労働運動の伝統を継承し、「力と政策」を備え、労働条件の改善や国民生活の向上を実現することを綱領に掲げる。労働政策の分野に限らず、広く各種の審議会における活動を通し、国の政策形成にも発言力を行使。しかし、組織基盤については伸び悩みが目立つ。国際自由労連(ICFTU : International Confederation of Free Trade Unions)に一括加盟。連合以外の労組ナショナルセンターとしては、共産党色の強い全労連(全国労働組合総連合、約70万9000人)のほか、同じく左派系の全労協(全国労働組合連絡協議会、約14万7000人)がある。

(桑原靖夫 獨協大学名誉教授 / 2008年)

出典 (株)朝日新聞出版発行「知恵蔵」知恵蔵について 情報

山川 日本史小辞典 改訂新版 「連合」の解説

連合
れんごう

日本労働組合総連合会の略称。1987年(昭和62)設立の全日本民間労働組合連合会,およびこれが官公部門を含めて89年(平成元)に発足させた労働組合のナショナル・センター。1987年に同盟・中立労連,88年に新産別,89年には総評がそれぞれ解散して連合に合流。一方,連合を労働戦線の右翼的大再編とみなす勢力は,89年に全労連(日本共産党系)と全労協(日本社会党左派系)を発足させた。

出典 山川出版社「山川 日本史小辞典 改訂新版」山川 日本史小辞典 改訂新版について 情報

人事労務用語辞典 「連合」の解説

連合

日本最大の労働組合の全国組織(ナショナルセンター)、日本労働組合総連合会の略称です。 今年10月の定期大会で高木剛氏が5代目の会長に選出されました。
(2005/10/31掲載)

出典 『日本の人事部』人事労務用語辞典について 情報

世界大百科事典(旧版)内の連合の言及

【全郵政】より

…正称は全日本郵政労働組合。連合の加盟組合。全郵政は1965年に全特定(全国特定局労働組合)と郵政労(郵政労働組合)が合同して結成された。…

【電力総連】より

…正称は全国電力関連産業労働組合総連合。連合の加盟組合。…

※「連合」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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