順序のついていない単なる対(つい)に対応して用いられる数学用語。二つの元a、bに対してaとbのみからなる集合{a, b}をaとbの対とよぶ。集合の相等はその元によって定まるから、集合として{a, b}と{b, a}は同一であり、aとbの順序は関係していない。しかし、たとえば複素数2+3iをxy平面上に記す場合、x座標が2でy座標が3の点(2, 3)で、(3, 2)は別な数に対応している。このようにaとbの順序のついた組、順序対(a, b)は数学ではよく用いられる重要な概念である。順序対の基本的性質は(a, b)と(c, d)が等しいならば、対応するもの、すなわちaとcおよびbとdがそれぞれ等しいということで、この性質をもつものならなんでもよいが、たとえば(a, b)として集合{{a, a},{a, b}}が用いられることもある。順序対は集合の直積の定義にも用いられる。すなわち直積A×BはAの元xとBの元yの順序対(x, y)の全体の集合である。
[難波完爾]
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