直積(読み)ちょくせき(その他表記)direct product

精選版 日本国語大辞典 「直積」の意味・読み・例文・類語

ちょく‐せき【直積】

  1. 〘 名詞 〙 集合AとBに対して、Aの要素aとBの要素bを組にした (a, b) の形のもの全体の作る集合をいう。AとBの直積は、A×B で表わされる。積集合。

じき‐づみヂキ‥【直積】

  1. 〘 名詞 〙 ( [英語] prompt shipment の訳語 ) 契約成立の日から、二週間以内に船積みを完了すること。

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関連語 an an AI 丸山 名詞

改訂新版 世界大百科事典 「直積」の意味・わかりやすい解説

直積 (ちょくせき)
direct product

二つの集合A1,A2が与えられたとき,A1の元とA2の元の組の集合{(a1,a2)|a1∈A1,a2∈A2}をA1とA2の直積集合といい,A1×A2で表す。各(a1,a2)∈A1×A2にai∈Ai(i=1,2)を対応させる写像piをA1×A2からAiへの射影という。より一般に集合Λで添字づけられた集合の集り{Aλ}λΛについて,集合{(……,aμ,……,aλ,……)|aλ∈Aλ}を{Aλ}λΛの直積とよんで,で表す。から各Aλへの射影pλも二つの集合のときと同様に定める。各Aλが群のときの積を(……,aμ,……,aλ,……)(……,bμ,……,bλ,……)=(……,aμbμ,……,aλbλ,……)で定めればは群になり,各pλは群の準同型である。 の部分集合 有限個のλを除いてaλは単位元}はの正規部分群となる。これを{Aλ}λΛの制限直積という。各Aλが環のとき,(……,aμ,……,aλ,……)+(……,bμ,……,bλ,……)=(……,aμ+bμ,……,aλ+bλ,……),(……,aμ,……,aλ,……)(……,bμ,……,bλ,……)=(……,aμbμ,……,aλbλ,……)で算法を定めればは環になる。すべてのAλが単位元をもつときは,も単位元をもつ。{Aλ}λΛの加法群としての制限直積は,の部分環となり,{Aλ}λΛの直和ともいわれる。
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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「直積」の意味・わかりやすい解説

直積
ちょくせき
direct product

最近では単に積 product ということも多い。 (1) 集合に関して 2つの集合 A ,B に対して,a∈A ,b∈B であるあらゆる a ,b の組 (a,b) によってつくられる集合を A と B の積,直積あるいは積集合といい,A×B で表わす。すなわち内包的記法で書けば,A×B={(a,b)|a∈A,b∈B} である。また一般に n 個の集合 A1 ,A2 ,…,An に対して Πi=1nAi=A1×A2×…×An={(a1,a2,…,an)|a1∈A1,a2∈A2,…,an∈An} を,それらの集合の直積と定義する。無限個の集合に対しても,同様に定義することができる。 (2) 群に関して  G1 ,G2 を群とし,x1∈G1 ,x2∈G2 であるすべての対 (x1,x2) の集合を G1×G2 とする。いま (x1,x2) および (x'1,x'2) を G1×G2 の元とするとき,これら2元の積を (x1x'1,x2x'2) なる対と定義すれば,G1×G2 はまた群となる。こうして群の構造を与えられた G1×G2 を G1 と G2 の積あるいは直積と呼ぶ。一般に集合 A ,B が代数的構造をもつ場合は,A×B にも同じ代数的構造を与えることができれば,その A×B を A と B の積あるいは直積という。 (3) ベクトル空間に関して  V1 ,V2 を任意のベクトル空間,v1∈V1 ,v2∈V2 である,すべての対 (v1,v2) の集合を V1×V2 とする。いま,2つの対 (v1,v2) および (v'1,v'2) をともに V1×V2 の元とするとき,和を (v1,v2)+(v'1,v'2)=(v1+v'1,v2+v'2) ,また体 K の任意の元 a に対して,積を c(v1,v2)=(cv1,cv2) と定義すれば,V1×V2 はまたベクトル空間になる。このとき V1×V2 を V1 と V2 の直積と呼ぶ。

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「直積」の意味・わかりやすい解説

直積
ちょくせき

A、Bを二つの集合とする。

  (x,y),x∈A,y∈B
という形式の全体Cを考え、
  (x,y)=(x′,y′)⇔x=x′,y=y′
と定義する。このときCを集合AとBの直積といい、A×Bと記す。たとえば、実数直線をRとするとき、平面はR×Rと考えられる。これが座標平面の考え方である。三つ以上の集合の直積も同様に考えられる。

 さらに、Aλ (λ∈Λ)を集合の族(集まり)とする。形式
  (xλ)λ∈Λ, xλ∈A
   (λ∈Λ)
の全体を考えて、Aλ (λ∈Λ)の直積といい、

と記す。もちろん、
  (xλ)λ∈Λ=(yλ)λ∈Λ
   ⇔xλ=yλ (λ∈Λ)
とする。

 直積は公理的集合論において厳密に定義される。写像の概念は直積の概念から定義されるのが普通である。とくにA、Bが群(他の代数系でもよい)であるとする。(x1,y1),(x2,y2)を直積A×Bの二元とするとき
  (x1,y1)・(x2,y2)=(x1x2,y1y2)
により積を定義するならば、A×Bはふたたび群となる。これを群A、Bの直積という。とくにA、Bが加群のときは直和とよばれ、A⊕Bのように記されることが多い。

[足立恒雄]

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世界大百科事典(旧版)内の直積の言及

【集合】より

…ここで,集合算というのは,∩,∪を集合間の演算と考えたことをいうのである。
[直積]
 二つの集合A,Bが与えられたとき,Aの元とBの元の組の集合{(a,b)|a∈A,b∈B}をAとBの直積(または直積集合)といい,A×Bで表す。これは集合{1,2}から,A∪Bの中への写像fで,f(1)∈A,f(2)∈Bを満たすものの全体Tを取ると,Tの元fとA×Bの元(f(1),f(2))との対応によって,TとA×Bとの1対1対応が得られる。…

※「直積」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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