願下(読み)ねがいさげる

精選版 日本国語大辞典 「願下」の意味・読み・例文・類語

ねがい‐さ・げる ねがひ‥【願下】

〘他ガ下一〙 ねがひさ・ぐ 〘他ガ下二〙
① いったん願い出たことや訴えたことを取り消してもらう。
※老車夫(1898)〈内田魯庵〉「示談で願下(ネゲヱサゲ)るには金子(かね)と転ぶより外仕様がねヱんで」
② 願い出て下げ渡してもらう。
落語小夜千鳥(1892)〈禽語楼小さん〉「其(その)遊郭を願ひ下(サゲ)ましたるのは諸君(みなさま)も予(かね)御存じの庄司甚内」

ねがい‐さげ ねがひ‥【願下】

〘名〙
① 願い出たことの取消を申し出ること。願書の下げもどしを願うこと。
随筆耳嚢(1784‐1814)一「熟談の上願ひ下げいたし」
② いったん希望した事を自分からやめたいと申し出ること。また、頼まれても引き受けないこと。断ること。
当世書生気質(1885‐86)〈坪内逍遙〉一「幹事は願下(ネガイサゲ)だ。ああ辛度辛度」

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