風力発電機(読み)ふうりょくはつでんき(その他表記)wind turbine generator

日本大百科全書(ニッポニカ) 「風力発電機」の意味・わかりやすい解説

風力発電機
ふうりょくはつでんき
wind turbine generator

風力を利用した発電方式に用いる発電機である。風車の回転により発電機が駆動される。大型の事業発電用では水平軸のプロペラ型風車が多いが、小容量では垂直軸の風車が用いられることもある。一般に風車の回転は低いため、ギヤで増速して発電機を駆動する。

 大型風力発電では当初、誘導発電機が多く使われた。誘導発電機の場合、発電周波数を一定にするため、プロペラ型風車の羽根の向き(ピッチ)の制御により風車の回転数を一定に制御する必要がある。また、巻線形誘導発電機を用い、インバーターにより回転数に応じたすべり周波数の交流を二次側に供給し励磁することで発電周波数を制御することも可能である。この場合、風車の回転数は一定にする必要はない。

 1990年代以降、永久磁石同期発電機を風力発電に用いるようになり、発電出力をいったん整流し、インバーターで商用周波数に変換する方式が用いられるようになった。この場合、風車の回転数は風力に応じて変動するが発電出力はインバーターで一定に制御される。さらに永久磁石発電機の多極化により、低速の発電機が実現したので、増速機のない直結方式(ダイレクトドライブ)も開発されている。

[森本雅之]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

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