日本大百科全書(ニッポニカ) 「食物経口負荷試験」の意味・わかりやすい解説
食物経口負荷試験
しょくもつけいこうふかしけん
oral food challenge test
特定の食物に対する食物アレルギーの診断法の一つ。略称OFC。アレルゲン(アレルギーの原因となる物質)の特定、アレルゲンに対する耐性の確認、除去食(アレルギーを誘発するため摂取を控えるべき食物)の特定、安全摂取可能量(食物をどの程度の量なら摂取しても安全か)の確認などの目的で行われる。血液検査や皮膚試験によってアレルギーの有無を確認し、診断がつかない場合にのみ実施し、アレルギーが疑われる食品を15~30分ごとに数回に分けて少しずつ量を増やして摂取させ、アレルギー症状の有無を調べる。その際、付加する食品を明らかにして行う方法(オープン法)と、主観的な評価要素が入り込まないように明らかにせずに行う盲検法(ブラインド法)がある。試験中に急激に症状が現れることがあり、ときにはアナフィラキシーショックを起こして危険な状態に陥ることもあるため、緊急処置の準備が必須であり、設備の整った施設で専門医の指示のもとで行う必要がある。日本小児アレルギー学会では「食物アレルギー経口負荷試験ガイドライン」で標準的な試験方法を提示し注意を促している。
[編集部]