血液検査(読み)ケツエキケンサ

デジタル大辞泉 「血液検査」の意味・読み・例文・類語

けつえき‐けんさ【血液検査】

血液を採ってその成分や、病原菌免疫反応などを調べること。

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精選版 日本国語大辞典 「血液検査」の意味・読み・例文・類語

けつえき‐けんさ【血液検査】

  1. 〘 名詞 〙 血液の成分を病気の診断、治療のために調べること。梅毒の有無、臓器の機能検査に応用される。
    1. [初出の実例]「ピルケ反応、血液検査(ケツエキケンサ)と」(出典:ドグラ・マグラ(1935)〈夢野久作〉)

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「血液検査」の意味・わかりやすい解説

血液検査
けつえきけんさ

病気の診断、治療効果判定の目的で、血液の諸成分を量的、質的に検査することをいう。検査は医師のほか、臨床検査技師衛生検査技師が行い、コンピュータを用いた自動検査機器が多く使われ、検査室の規模も大きくなって検査のスピードが迅速になった。また、行われる検査も臨床各方面にわたり多くの種類がある。以下、おもなものについて述べる。

(1)末梢(まっしょう)血液一般検査 血液中の有形成分(血球)について行われる検査であり、赤血球、ヘモグロビンヘマトクリット(赤血球容積率)、白血球血小板を算定する。血球の形態的検査には、塗抹標本をつくってギムザ染色を行い、白血球、赤血球、血小板、その他各種の観察を行う。

(2)血液生化学的検査 血漿(けっしょう)あるいは血清の中に含まれている化学的成分を測定するもので、タンパク質、炭水化物(含水炭素)、脂肪、ビタミン類、酵素、無機物について詳しい検査が行われている。肝機能、腎(じん)機能、血糖の検査など、多方面にわたる検査がある。

(3)免疫血清学的検査 抗原抗体反応を利用して検査が行われ、血清中に含まれている免疫グロブリン(抗体)、補体成分、多くの病気のときにつくられる特有な抗体、リンパ球の機能などが測定される。血清梅毒反応もその一つである。

[伊藤健次郎]

『松崎広子著『血液検査は語る』第2版(1994・研成社)』『日本検査血液学会編『スタンダード検査血液学』(2003・医歯薬出版)』

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改訂新版 世界大百科事典 「血液検査」の意味・わかりやすい解説

血液検査 (けつえきけんさ)
blood test

血液は血球成分と血漿に分かれるが,広義には,この両者に存在する成分について含量や性質,機能を検査することをいうが,狭義には,血球成分とこれに関連した血漿中の成分の異常の有無を調べる血液学的検査をいう。血球成分には赤血球,白血球(顆粒球,単球,リンパ球)および血小板があり,狭義の血液検査とは,これらの血中含量や役割についての検査をさす。このほか,骨髄の造血能をみる検査(血球成分の骨髄中での成熟,分化の程度,貯蔵状態の観察による造血異常の性質や程度を調べる検査),血液型や血球成分に対する抗体の検査,免疫グロブリンの検査などもあり,最近では,末梢血液や骨髄細胞の培養による染色体検査や分化,成熟異常の検査のほか,献血・輸血に際してエイズウイルス(HIV)の検査も行われるようになった。

 広義の血液検査には,血漿中に含まれる諸成分(タンパク質や尿酸,ナトリウム,カリウムなどの元素やGOT,GPTなどの血清酵素など)についての血液生化学的検査などが含まれる。

 血液検査は,あらゆる病気との関係が深いので,診断や経過観察,予後の推定によく用いられている。
臨床検査
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とっさの日本語便利帳 「血液検査」の解説

血液検査

血液検査により、身体の様々な情報が得られる。ただし、各検査の正常値は検査機関によって異なるため、結果表をよく確認することが必要。
肝機能検査▽肝細胞が破壊されて放出される様々な血清中の酵素、ALTAST、γ‐GTPALP、LDHなどの量を測る。生化学的検査や、血清中の総ビリルビンを測定することも、肝疾患の病態や変化を把握する上で重要。
腎機能検査▽一般に尿素窒素、クレアチニンなどを検査する。
膵臓機能検査▽膵炎では、リパーゼアミラーゼトリプシンなどの上昇が見られる。
動脈硬化検査▽総コレステロール、HDLコレステロール(善玉コレステロール)、トリグリセリドなどを測定。一般に総コレステロールの増加、HDLコレステロールの減少が動脈硬化の危険因子。
糖尿病検査▽血糖(空腹時)を測定。糖尿病の患者については、HbA1cが測定され、糖尿病をコントロールする重要な尺度となる。
尿酸▽高値なら痛風の可能性が高い。腎不全や白血病などでも上昇。
CRP▽炎症の有無や程度を調べたり、炎症を起こす疾患の経過観察を行う。感染症や膠原病で上昇。
総たんぱく▽血清中のたんぱく質の総量を測り、生体内のたんぱく異常のスクリーニングに使う。
赤血球検査▽赤血球数、ヘモグロビン、ヘマトクリットにより、様々な種類の貧血の鑑別診断をすることができる。
白血球検査▽白血球数とその分類(種類)を見る。白血球の増える病気には様々な炎症性疾患、感染症、白血病などがあり、逆に減る病気には免疫不全症などがある。白血球の分類では、リンパ球、好中球、好酸球、好塩基球、単球のパーセンテージが重要。

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百科事典マイペディア 「血液検査」の意味・わかりやすい解説

血液検査【けつえきけんさ】

血液を用いて行う検査の総称。おもなものをあげると,(1)形態学的検査。赤血球数,ヘモグロビン量,白血球数,白血球血液像,ヘモグラム(血液像),赤血球沈降速度,凝固時間などの検査で,各種血液病,伝染病などの診断に役立つ。(2)生化学的検査。血清タンパク質,各種窒素成分,電解質などの定量検査により,種疾患の診断や経過の観察に資する。(3)免疫学的検査。ワッセルマン反応をはじめとする梅毒血清反応などの諸反応。(4)細菌学的検査。血液を無菌的に採取し,培養試験により病原菌を検出する。
→関連項目出生前診断診断スクリーニング検査

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「血液検査」の意味・わかりやすい解説

血液検査
けつえきけんさ

血液の成分を調べること。診断に役立てるため,血液は疾患による各種の変化を敏感に反映するので,診断上,最も重要かつ不可欠の情報源になる。血液検査は,細胞成分の検査と液体成分の検査とに分けられる。前者には,末梢血液検査 (赤血球,血色素,ヘマトクリット,網赤血球,白血球およびその種類,血小板) ,血液型検査,血沈などがあり,後者には,出血性素因の検査,生化学的検査,免疫学的検査,各種細菌およびウイルス学的検査,血漿蛋白に関する検査,内分泌学的検査,血清学的検査などがある。また,血液病の診断のために,骨髄や脾臓,肝臓,リンパ節などの穿刺をして,骨髄血や臓器血の検査を行うこともある。

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世界大百科事典(旧版)内の血液検査の言及

【医療】より

…人が病気にかかると,これらの物質の組成が変わるとともに,健康人の血液には含まれないような異常物質が出現する。血液検査によって多くの病気の状態がわかり診断が下せるので,今日では最も重要な検査法の一つである。 放射線医学的検査胸部のX線写真,消化管の造影剤を用いたX線検査のほかに,心・血管系,胆囊・胆管系,気管支系,リンパ系について特別な検査が行われる。…

※「血液検査」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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