食隠(読み)くいかくし

精選版 日本国語大辞典 「食隠」の意味・読み・例文・類語

くい‐かくしくひ‥【食隠】

  1. 〘 名詞 〙 ( 「くいがくし」とも )
  2. 人にかくして物を食べること。隠し食い。
    1. [初出の実例]「外のことなら宜いが、菓子の喰隠(クヒガク)しは、余り色気がねぇぜ」(出典:人情本・花筐(1841)初)
  3. 内証情人をつくること。また、馴染(なじみ)遊女にかくれて、他の遊女のもとへ通うこと。
    1. [初出の実例]「のめのめと、した顔で、どこへとさ喰隠しをしねんすか」(出典:洒落本・南閨雑話(1773)馴染の体)
  4. 内証で金をためておくこと。へそくり。
    1. [初出の実例]「『こうまだ後(あと)にあるぢゃあねえか』『(財布をかくして)いえいえ、もうござりませぬ。ござりませぬ』〈略〉『なに、喰(ク)ひがくしをしやがるなえ』」(出典:歌舞伎・敵討噂古市(正直清兵衛)(1857)六幕)

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例

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